8話 無差別
総生徒数 1689人
教員数 85人
担任が教室を出て数分、次の授業を知らせる鐘が鳴ったと言うのに、教科の先生は全く教室へ来ない。
静まり返っていた教室も、みんな痺れを切らしたのか、「全然来ないね」 「このまま授業なくなるんじゃね?」
などガヤガヤしだしていた。
「先生達、何かあったのかな?」
真名部さんは、眉を八の字にさせ、不安がっているようすだ。
ガタン
「お、お前ら!絶対教室から出るなよ! 姿勢を低くして教室に居ろ!」
体育の柴崎先生がいきなりドアを開けると、クラスに指示を出す、俺達の教室に鍵を閉めると別の教室へと走って行ってしまった。
ガヤついていた教室にも緊張が走り、皆の顔が曇り始める。
バリン!!
下の階で何かが割れる音がし、教室にいる女子何人かが叫ぶ。
「静かにしろよ!」
大きな声を出した女子生徒へ、怒りを表すクラスメイト。
(この状況はまずい)
これは多分不審者が学校に入って来たのだろう、こんな状況でこうも連携が取れてないと、不審者を見てしまった時、大混乱が起こって負傷者が増えかねない。
そう思い、自分がどうにかしなければと考えていると、廊下の見えるドアの小窓から、緯壱が走る姿を、一瞬だが目にする。
(あいつ、なにやってんだ!)
きっと自分が脳力者だからだと、無駄な正義感が湧いたのだ、そうでも無きゃ、あいつがこんな行動に出るわけが無い。
「みんな! 俺が下の様子を見てくるよ」
皆の不安を自分へ向ける様に、俺は教室を出た。
真名部さんが「危ないよ!」と叫んでいた気がするが、もう教室を出てしまった以上後戻りは出来ない。
「戸締りよろしく!」
近くにいた男の子へ鍵閉めをお願いし、俺は緯壱の走っていった方向へ向かう。
ーーーー「死んでるのか...」
階段を降りてすぐの道に、教頭が倒れている。
近寄ると腹部から出血している、俺は指を首元に当て脈を確認する。
「やっぱり」
脈は無かった、とりあえず道の橋に教頭を移動させ奥へ進む。
「まじかよ...」
大きな廊下に出ると、数十人の教師が倒れている、そこには柴崎の姿も見えた。
「何をしている...はや、く、逃げ...ろ」
足から大量に出血している柴崎が、俺を呼び止める。
「先生!これは一体!?」
自分の腰のベルトを解き、先生の太ももに強く巻き付けし、応急処置をする。
「相手は多分脳力者、だ... 止めに入った先生が何人も切り刻まれてる...」
それを聞いた俺は、ますます緯壱の安否が気になる。
「先生はここに居てください!」
「お、おい待て永禮!」
ここに来る道でまだ、担任は見ていない。
俺はそこら中に倒れる教員を踏まぬよう、急いで廊下を走り出した。
総生徒数 1685人
教員数 68人




