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異進伝心  作者: 夏野 麦柁氣
1章 アバンダント
10/15

8話 無差別

総生徒数 1689人

教員数 85人

 担任が教室を出て数分、次の授業を知らせる鐘が鳴ったと言うのに、教科の先生は全く教室へ来ない。

 静まり返っていた教室も、みんな痺れを切らしたのか、「全然来ないね」 「このまま授業なくなるんじゃね?」

 などガヤガヤしだしていた。


「先生達、何かあったのかな?」

 真名部さんは、眉を八の字にさせ、不安がっているようすだ。


 ガタン

「お、お前ら!絶対教室から出るなよ! 姿勢を低くして教室に居ろ!」


 体育の柴崎先生がいきなりドアを開けると、クラスに指示を出す、俺達の教室に鍵を閉めると別の教室へと走って行ってしまった。

 ガヤついていた教室にも緊張が走り、皆の顔が曇り始める。


 バリン!!


 下の階で何かが割れる音がし、教室にいる女子何人かが叫ぶ。


「静かにしろよ!」

 大きな声を出した女子生徒へ、怒りを表すクラスメイト。


(この状況はまずい)

 これは多分不審者が学校に入って来たのだろう、こんな状況でこうも連携が取れてないと、不審者を見てしまった時、大混乱が起こって負傷者が増えかねない。

 そう思い、自分がどうにかしなければと考えていると、廊下の見えるドアの小窓から、緯壱が走る姿を、一瞬だが目にする。

(あいつ、なにやってんだ!)


 きっと自分が脳力者だからだと、無駄な正義感が湧いたのだ、そうでも無きゃ、あいつがこんな行動に出るわけが無い。


「みんな! 俺が下の様子を見てくるよ」


 皆の不安を自分へ向ける様に、俺は教室を出た。

 真名部さんが「危ないよ!」と叫んでいた気がするが、もう教室を出てしまった以上後戻りは出来ない。


「戸締りよろしく!」


 近くにいた男の子へ鍵閉めをお願いし、俺は緯壱の走っていった方向へ向かう。




 ーーーー「死んでるのか...」

 階段を降りてすぐの道に、教頭が倒れている。

 近寄ると腹部から出血している、俺は指を首元に当て脈を確認する。


「やっぱり」


 脈は無かった、とりあえず道の橋に教頭を移動させ奥へ進む。


「まじかよ...」

 大きな廊下に出ると、数十人の教師が倒れている、そこには柴崎の姿も見えた。


「何をしている...はや、く、逃げ...ろ」

 足から大量に出血している柴崎が、俺を呼び止める。



「先生!これは一体!?」


 自分の腰のベルトを解き、先生の太ももに強く巻き付けし、応急処置をする。


「相手は多分脳力者、だ... 止めに入った先生が何人も切り刻まれてる...」


 それを聞いた俺は、ますます緯壱の安否が気になる。


「先生はここに居てください!」

「お、おい待て永禮!」


 ここに来る道でまだ、担任は見ていない。

 俺はそこら中に倒れる教員を踏まぬよう、急いで廊下を走り出した。

総生徒数 1685人

教員数 68人

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