2話
初の王城行きだったため付いて来てくれた、我が家の家令・セバスチャンと一緒に家に帰ると使用人たちが玄関で出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ、リル様。湯浴みの用意はできております。」
ロベリアの会の長い話のせいか、疲れていた私はそう言った私専属の侍女・ライアに身を任せ、とっとと湯浴みを済ませ、疲れをとるためベッドで寝っ転がった。
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気付けば、私は夢の中にいた。
周りを見渡せば、なぜか見覚えのある風景のようだ。
だけど私はここに来たことがない気がする。
なぜか同時に感じるなつかしさと疎外感、
ここはどこなのだろう。
そんな遠くない所に何かの木が見える。
あぁ、あれは***の木…?
ポトっとなにかが落ちる音が聞こえた気がした。
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次に目を開けると目の前にライアがいた。
寝っ転がっていたら、夕方まで寝てしまっていたらしい。
「リル様、起こすために揺らしてしまってすみません。セバスチャンさんが先程間でいらっしゃいまして、伝言を承りました。」
「あら、ライア二人の時はもっと砕けた話し方でいいって言ったでしょう? で、セバスチャンはなんて?」
「…。 セバスチャンさんが「お疲れのところ申し訳ないのですが、旦那様が応接間にてお待ちです。」って言ってたよ。」
その言葉に了解っとうなずくと、両親のそろっているであろう応接間に私は足を向けた。
ウェルベール公爵家は、このモルガン王国の中で王の次に権力を持っていて、実は王家よりも歴史があるといわれているらしい。さらにこの家の伝統、家柄等から王族とも深い関係にありましたのよ。第二の王家とも言われるくらいに。ぶっちゃけて言えば、とってもだるく制限の多い一族。
領地も無駄に広いですし、公爵家の名に恥じぬよう施される教育は王族の方々とほぼ同レベルまで求められりしで。私がいくら中身は18歳で転生者と言っても、あの教育は受験生もビビる超スパルタ教育…。礼儀作法・テーブルマナー・ダンス・複雑な貴族の関係図を覚えたり等、いくら教養を身に着けるためとはいえど、きつかった!日本にはなかったあれらの授業が本当に敵!こんなもん気にしだしたやつら本当にハゲ散らかすべきですわ、えぇ。
まあでも家族仲は少し過剰なくらいよかったし、あれらを無意識にできるようになれば、おさらばできるって聞いて死ぬ気で頑張りました。
そうして徐々に目が覚めてきた私は応接室着くとその扉を開けた。
しかもそこには、予想通り、いや少々予想を超えて家族全員がいた。
優雅にコーヒーを飲んだくれているアシュお兄様に、
なぜか疲れているルークお兄様、
眠そうな最愛の弟を抱きながら微笑でいるお母様、フレア・ウェルベール、
そして父であるヴェインツ・ウェルベール公爵は、銀の髪に緑の瞳でこちらを睨みつけながらなぜか仁王立ちしていた。
私には2人兄弟がいますの。
1人はアシュリーお兄様。くすんだ銀の髪に深緑の瞳で、すでに成人しており近衛騎士団に所属しています。しかし夕方の今もおそらく勤務時間中、ここでコーヒーなんて飲んでいていいのでしょうか…。
2人目は今母様に抱かれている私たちの弟、フレットです!そろそろ1歳になるのですが、ふふっ、くりっくりの金の瞳も、薄紫の柔らかな髪も ぷっくりとしたほっぺもあり得ないほどかわいいですわぁ。色彩も母様にそっくりです。
って、また意識を飛ばしてしまいました。今日は異常に意識を飛ばす日のようです。
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お久しぶりです、投稿遅くなってすみません…
久しぶりに覗いてみたらお気に入りもしていただいたり、感想もいただくことができたりと感激です!
ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします!
あと更新についてなのですが、受験生なので頻繁にはできないかと思います…すみません…
ですが出来る限り頑張ります。