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賭け
光は、ずっと待っていた。午後9時を回っていた。そこは、東京スカイツリーの展望台だった。
光は、先日、会社の同僚の好きな人に告白したのだ。返事を、ずっと待たされていた。一ヶ月過ぎた頃に、光は、ついに我慢ができなくなって、賭けに出たのだ。
「今週の日曜日、僕と、お付き合いしてくれる気があるなら、スカイツリーに来てください!」
そう伝えていた。確かに伝えたのだ。
夜に、ずっと待っていることを、伝えた。
『待つこと』
初めは、夕暮れ時だった展望台も、うっとりするような夜景に変わっていた。




