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能面  作者: 一十三
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第一話 顔

「現実だよな、、、」

限られた視界に映り込むのは、能面を付けた大人数の男女。壁に数えきれない種類の能面が飾られている。 俺はこの日を一生忘れることは出来ないだろう。


「おはよ」


「悠太さん、おはよう。ご飯出来てますよ。」


「ありがとう。先に顔を洗ってくるよ。」


いつもの光景にいつもの会話。妻とは、大学からの付


き合いだ。妻の不妊症で2人の間に子供は出来なかった


が、今日まで喧嘩もなく、おしどり夫婦である。


「老けてきたな」


最近悩みは洗面台の鏡を見ると憂鬱になる。目の下の


クマ、ほうれい線、シミも出来てきた。日に日


に、自分が老いているのを感じる、、、


若い頃の顔で入れたらと思う回数は日に日に増える。


「行ってきます」


電車に揺られ、面白い動画を見ながら仕事に行く。


今日は何を見ようかと探している時、一つの動画が目


に留まる。


「能面の館??」


動画のサムネには、大きな館。このすぐ横の看板には


能面の館と書いてある。


画面のタップして動画を開くと、赤褐色の般若の能面


をつけた女であろう人物が、動画に出てきた。


「はじめまして。ここ能面の館では、その人にあった


新しいお顔を提供しております。是非足を運んで下さ


い。この館はーーー」


動画の続きを視聴しようとした時、目的の駅に着


いてしまった。


仕事中も一向に俺の頭から、あの館のことが離れな


い。いつもよりも仕事が長く感じられる。


「お疲れさまです。」


俺は急いで帰り支度をして、駅に向かう。外は完全に


日が沈み、手袋をしていても指が冷たくなる。空には


まだ不完全な丸い月が見える。


帰りの電車に乗り込み、席に座る。スマホを取り出し


朝の続きから見る。


「ただいま」


「悠太さん、おかえりなさい。ご飯はもうすぐ、出来


ますので、お先にお風呂にどうぞ。」


「いつもありがとう。」


湯船浸かりながら動画の内容を思い出す。


旅館の名前は、能面の館。毎年12月の満月の日限定で


21時から開かれる。場所は〇〇県〇〇の山の中。参加


費用は無料。そして参加条件として、能面をつけてく


ること。肝心の 新しいお顔 の部分については何も


説明されなかった。


能面の館は、家から車で4時間ぐらいの距離だ。


そして満月は3日後。


俺は、まぁ冗談だろう。話しのネタぐらいには、なれ


ば良いな。


それぐらいの感覚で能面の館に行くことを決めた。




























興味を持っていただければ、評価よろしくお願い致します。

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