LV29 雷撃
「胡桃ちゃん! 雷撃ブースト ×7だ!」
梨花ちゃんが格好いい字面を宣う。
「おにい、離れないで、ここにいて!」
俺の前で二人が肩幅に足を広げ、さっき胡桃ちゃんが指示していた方向に正対すると背後にいる俺を振り返らずに声を掛けてきた。
『天空の盟主。帝王よ。古の契約を執行する時が来た。天空の弓矢をもって我に答えよ』
妹二人がシンクロ率100%の詠唱を始めた。これ、初音さんがぶっ放した奴だ。
風だ。また、何処からともなく風が二人を中心に吹き出した。それは二人のミニスカの裾が揺れていることからもはっきりわかった。
全身を青白く光らせながら周囲に光の粒が生じてきた。やがて、粒は球形となり二人のそれぞれの差し出した掌の上に集まり、風はますます強くなる。二人のミニスカから青と黄色のパンツが見え隠れしている。
急速な発光の高まりと風が目を開けている事を困難にして、それが数秒続くと、一転、二人の全身の発光と風が完全に止んだ。
花火ドーン!
そして、静寂が訪れる。
掌には青白い光球が浮いている。二個の野球のボール大。
二人はお互いの顔を見合いアイコンタクトを取ると軽く放り上げた。
風を大きく切り裂く音を出しながら、上空へと舞い上がっていく。
「増幅!」
胡桃ちゃんが天空を見据え大声で唱えると、上空へと舞い上がっていった二つの光球はお互いをらせん状に回転しながら大きさを増していった。
そして、直視など、とても出来ない極大光、太陽をも超える白色の光を出現させると、
「おにい、もう一回抱き着かせてあげる。早く来て」
俺のいる背中に振り返りそっと右手を差し出して、梨花ちゃんは天使の様な微笑みを見せて誘ってくれる。何度でも抱き着きますとも。喜んで~。
「打雷!!」
---爆風が襲ってきた……
俺が見えていた景色はこの後、閃光が襲って全てが見えなくなるのだが……
猛烈な爆風とともに、遅れてやってきた高温の熱風は建設途中のビルを溶融させ、ビルの形状を保てなくなったものから順次消し飛ばし、隣のビルにぶつかって更にビルを倒していく。爆風の後には超高温の火球が地上に舞い降り、周囲に波紋状に火球が広がって飲み込まれ、倒壊したビル群は灼熱の火球に耐えられず気体へと昇華し、存在すら無かったことにした。
500m四方の1ブロックを焦土と化し、それは収束した。
但し、一瞬で……
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