LV15 妹可愛い
妹のスマホには俺と妹が全裸で抱き合う自撮り写真が映されていた。
全裸の妹の上に俺が力なく、ぐで~っと倒れ伏せている。
強いて言えば全て終わった事後の様にも見えなくも無いが……
「あはは、お前、そんな、いかにも寝てます見たいな写真、初音さんが信じると思うか?」
「はははは、おねえよ。見た瞬間、かっとなって突っ込んで行くわよ。それに全裸で抱き合っている事実は変わらないわ」
いや、抱き合っているか?俺が掛布団の様にしか見えないが。それでも、確かに、あの人がそんなに冷静に考えて行動するとは思えない。
「どう?これをおねえに見せられたくなかったら私を一週間この部屋に置いて頂戴」
それを言いたいがために、この冗長なやり取りを重ねてきたというのか妹よ。
一通り自分の言いたいことを吐き出した目の前の妹はスマホを顎に当てて窓から見える車の往来を見て何か考えごとをしているようだ。
どうせ、ろくな事じゃないんだろうが。こいつ見た目だけか良いのわ……
こいつの目的を探るために、さっきから考え事をしているように見えて実は、何も考えていなさそうな、中途半端なハニートラップで、俺を追い詰めたつもりにでもなっている妹に本題をようやく切り出した。
「妹さん?なぜここに来たの?初音さんには連絡したの?」
「お兄ちゃん。私はね、おねえが男と契約したって言うから、その相手を見に来たの。一族代表よ。おねえはどうでもいいの」
俺の質問には答えたようで答えてないで、ここに来た本来の回答を出して、急に、今までスマホを見ていた妹の顔が真剣に俺を見つめている。
はっきりした二重の黒目がちな大きな瞳にすっと鼻筋の通った顔。少々ふっくりしたピンクの唇と細い顎のライン。
かわいい。俺、妹の方がタイプかも。
いや違う。そうじゃない。ダメだダメだ。
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