LV82 初音のくせに!
「来てやったよ! 梨花ちゃん!!」
「あ~!! 胡桃ちゃん!!」
美人姉妹が店先で抱き合ってる。ゆるふわちゃんの店の入口で抱き合って、しばらくぶりの再会に喜びを分かち合っている。
「あれ? 髪の色変えた?」
「うん。ちょっとピンクいれた」
おい! 俺とのその差!!
わかった?流石ね。なんていいながら、髪を触らせている胡桃ちゃん。
「あー、でも、うっすらお姉とかぶってるよ、色……」
「うそ! え~、ちょっとショックなんですけど。姉上と同じ感性とか……男の子の好みだけはかぶりたくない!」
おい!言い方!
うっすら、こっちを見てほくそ笑む美人姉妹を横目に俺はこのくそ暑い35℃を軽く超えている真夏の歩道から、冷房の効く店の中へと入って行く。
「あ~、涼しい~」
「いらっしゃいませ」
ゆるふわちゃん……天使!
「会いたかったよ、ゆるふわちゃん……何で俺はこんなにゆるふわちゃんに会いたいんだらう……」
「ま~た、そんな事ばっか言って、初音さんに言いつけますよ」
え? 何言ってんの?
「え?」
「私たち、ほら……あの件から仲良しになってるの……それでね……もしも……ここで、そんな事があったら、報告するようにって言われているの……」
小声で俺に囁くゆるふわちゃんは、いたずらな笑みを見せている。
く~、初音のくせに……そんな事だけは、先読みできるのか!!
俺のゆるふわちゃんラブを封じるとか
……くそ!