(第069話)人類の裏切り者.4
泉里たち鋼身はこれからどうしようというのだろうか、苫米地はふと疑問におもった。急に日本政府の方針が変わるとも思えなかったからだ。だが、さっき機械蟲が四方八方に拡散しているし、さらなる鋼身の誕生も予想できる状況だ。沿う名rうと、これは・・・戦争になるのかもしれなかった。
「お前! これからなにかしようというのか?」
苫米地は泉里に尋ねた。自衛隊の攻撃が中断したためか、隠れていた鋼身が数百体ほど集まっていた。その形状は様々で人形のようなモノから戦闘ロボみたいなやつまでいた。あまりにもヴァリエーションが多かった。
「それはなあ、あの方の意思に従っていくのだ。本当は平和に行きたいなあ、とは思っているけど、無理だろうな、もうすぐここに来るだろうから」
「それって、どういうことなんだ」
苫米地はそういったが越智副大臣から聞いた言葉を思い出した。いま、この国いや人類の裏切り者が幅を利かし人類を葬ってしまう方向にもっていっていると。でも、その意味が分からなかったが重質量爆雷と偽って核弾頭をセットした連中のことなのかもしれなかった・
「そうだなあ、戦争が始まるってことかな? でも、それは案外あっさりけりがつくかもしれんけどなあ」
そういうと泉里ら鋼身は四方八方に拡散していった。しばらくすると燧灘町を包囲している部隊による発砲音が聞こえてきた。
残された苫米地と小林は二人で呆然としていた。今回の作戦は失敗したうえ、鋼身の逃走を許してしまったからだ。しばらくすると迎えの車がやってきた。
「この車で帰ったら解任ってことになるだろうし、良くて諭旨免職かな? まあ、もうどうでもいいが」
苫米地はその車に乗ろうとしたところ、中から降りてきたのは鋼身になった自衛官だった。
「小隊長、お迎えに上がりました。ですが、うちの部隊はもう帰還することが許されません」
「それってどういうことだ?」
すると統合幕僚長からの命令書の写しがを見せられた。それによると、本日午後7時半をもって四国四県を封鎖するとあった。また愛媛県内に展開している部隊は(無期限に)帰還禁止とあった。
「わが部隊はほぼ鋼身になったと判断したそうです。ですから部隊ごと封鎖せよという事です。それが最後の指令のようです」
苫米地は自分たちの部隊が放棄されたのだと悟った瞬間だった。




