↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
85/87

【85】 奈美から大輔への伝言

 30分後、夫は、疲れ果てて先に眠りについた。

妻(大輔のことは、今を持って忘れよう。これからは、夫と海斗のために生きていく。それが一番いいのよ。過去は忘れて今を生きるのよ、今を……)

 妻も眠りについたのだった。


     ◇


 翌日、奈美と海斗は博之とともに松山城に登り、お昼は街中のレストランで食事をして、帰路に着いた。


 駅で。

夫「じゃあね」

妻「またね。お仕事頑張って」

夫「うん。海斗、また会おうね」

海斗「うん」


     ◇


 数日後。

奈美は、お昼どきを狙って、市役所に居る大輔に電話をした。

奈美「今、大丈夫?」

大輔「ええ、大丈夫です」

奈美「突然ごめんなさい」

大輔「なんでしょう?」


奈美「実はね、」

大輔「はい、」

奈美「行方不明だった夫が見つかったの」

大輔「えっ!!! そうなんですか?」


奈美「うん。私もびっくりしたんだけれどね」

大輔「そうですよね。それで」

奈美「元気で、生きていたわ」

大輔「そうですか」

大輔(『良かったですね』と、言った方がいいのかな?)


奈美「それで、海斗と家族3人でやり直すことにしたの」

大輔「それは良かった」

奈美「過去をすべて忘れることにしたの」

大輔「そうですね」


奈美「だから、あなたも忘れてくださいます?」

大輔「もちろんです。たった今忘れました」

奈美「ふふふふふ。ありがとう」

大輔「こちらこそ、色々ありがとうございました」


奈美「北海道か、沖縄かどちらかに引っ越して、もう埼玉には戻って来ないつもりです」

 奈美は嘘をついた。大輔と縁を切るためにも、その方が良いと思ったからだった。

大輔「わかりました」


奈美「だから、あなたは由夏さんとうまくやってくださいね」

大輔「わかりました」

奈美「これで良かったのよ。由夏さんもこれで大輔さんを独占できるでしょう」

大輔「そうですね」


奈美「こんな電話で最後になるなんて、ゴメンね。会うと別れがつらいから、電話で済ませた方がいいと思って」

大輔「わかります」

奈美「じゃぁ」


 電話が切れた。あまりに、あっけなく短い電話だった。

大輔(お昼休みだと思って、気を遣ったのかな?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。