幕間 ルイーザ、王太子に本音をぶつける
城内の中庭にて。
「ロダス様、随分と顔色が悪いですね」
この日、ルイーザはこの国の王太子であり自分の婚約者であるロダス・クレメントスとのお茶会に来ていた。
ルイーザは聖女のお披露目式の準備の為、現在は教会が所有している施設に滞在している。
その為、行動は制限されており今日は久しぶりにロダスに会ったのだがその顔色は悪くぐったりしている。
「……最近、悪夢を見る様になったんだ」
「悪夢というのは?」
「寝ているといつの間にか兵士達に取り囲まれていて……、ジーッと見ていると思ったらいきなり体を滅多刺しにしてくるんだ」
「それは怖いですね」
「あぁ、ほぼ毎日見ていて怖くて眠れないんだ。父上も悪夢を見ているみたいで……、このままではおかしくなってしまう。 ルイーザ、君の力でなんとかならないか?」
「なんとか、と言われましても……、それは聖女の出来る分野ではございません」
「そんな……、聖女の力は万能ではないのか?」
「私は成り立てですのでまだ出来る事に限りがございます。……まぁ、前聖女のメアリス様だったらどうにかしてくれるんではないですか?」
そうルイーザが言うとロダスは黙った。
それもその筈で自分が追い出したメアリスに頼むのはプライドが許さない。
「ロダス様、貴方は余りにも勝手過ぎます。今、そのツケが返って来ているんですよ。 全てはロダス様を含めた王族と一部の貴族の行動が裏目に出ているのです」
「なんだって……」
「私は聖女になりたい、ていつ言いましたか? そもそも婚約だって私の意志なんて無視して勝手に決めた事ですよね」
「それは……、だって私達は幼なじみじゃないか」
「幼なじみ『だけ』の関係です。 私はロダス様を好きになった事は1度もございませんしどちらかと言うと嫌いですし迷惑しています」
ルイーザの発言に顔面蒼白になるロダス。
相思相愛だ、と思っていたのは自分だけだった。
「……私は今度の聖女のお披露目式にて貴方や王族がやって来た事を洗い浚い発表するつもりです」
「な、何を言ってるんだっ!? そんな事をしたら……」
「えぇ、国民の反発は免れませんわね、でもそれも自業自得ですわ、ロダス様、ご自身のこれまでを顧みてください。 その上で正しい選択をしてください」
そう言ってルイーザは去った。




