メアリス、聖女(仮)の訪問を受ける
「こちら今週分の食料になります」
「いつもありがとうございます」
いつもの様に食料を貰うが今日はちょっと違っていた。
「……実はメアリス様に会っていただきたい方がいるんですが」
「私に、ですか? 別に構いませんが」
そう返事をすると配達人は馬車に合図をして扉が開き身なりの良い女性が降りてきた。
明らかに高貴な女性というのは明らかだった。
「はじめまして、メアリス様。 私ルイーザ・スペンダーと申します」
「ルイーザ様って……、聖女様!?」
「い、いいえっ! 私は聖女ではありませんっ! 今も聖女はメアリス様ただお一人です!」
ルイーザ様は私の発言を慌てて否定した。
「私、ずっとメアリス様に謝りたくて今回無理を言って同行させて貰いました」
「そんな謝るなんて……」
「無理矢理、聖女の立場を奪ってしまい申し訳ありません」
そう言ってルイーザ様は頭を下げた。
余りにも低姿勢でこっちが恐縮してしまう。
公爵令嬢というからもっと偉そうな性格をしているのか、と思っていたけど第一印象は謙虚で悪い感じはしなかった。
「そもそも私は聖女になるつもりは無かったんです……」
「もしかして裏で誰かの意志が動いていた、という事ですか?」
ルイーザ様はコクリと頷いた。
「それはもしかして王太子様ですか?」
「はい、それと私の父親も関わっているんです」
ルイーザ様はポツポツと話し始めた。
そもそも今回の件の発端は王太子様の我儘から始まった。
どうしてもルイーザ様と結婚したい王太子様にとって私の存在は邪魔だった。
そこでスペンダー公爵と共謀して無理矢理私を聖女の座から降ろしてルイーザ様を聖女に仕立て上げよう、と画策したのだ。
公爵は教会幹部に賄賂を渡し私を降ろす様に頼んだ。
そもそもしがない男爵令嬢の私が聖女である事を余りよく思わない者達が協力したそうだ。
そこにルイーザ様の意志は1つも無い。
「いきなりお父様から『聖女になった』と言われた時は何がなんだかわからなくて王太子様から『これで君と結婚できる、別に聖女の仕事をしなくてもいい』と言われ何をやったのか理解しました」
「1つ確認したいんですがルイーザ様は王太子様の事はどう思っているんですか?」
「……不敬と思われますが苦手です。そもそも婚約者でもないしただの幼なじみとしか思っていません」
はい、今回の悪人が確定しました。
私としてはどうでもいいですけど国を混乱する原因を作ったんですから責任は取ってもらわないといけませんよね?




