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メアリス、御婦人の身の上話を聞く

「落ち着かれましたか?」


「えぇ……、見苦しい姿を見せて申し訳ありません」


 御婦人は暫くして泣き止んだ。


「もう地に埋まっているのではないか、と諦めていたんですが……、こうしてお別れが言えて感謝します」


「いえいえ、きっと神のお導きですよ。 ところでスザック様はもしかして高貴な方なのでしょうか?」


「……えぇ、その通りです。スザックは本来は高貴な家で育つ筈でした。 ですが事情があり育てる事が出来ずとある家に引き取って頂いたのです」


 やっぱり混み合った事情があるみたいですね。


 そこから御婦人、スザック様の母親はぼかしながらもポツリポツリと話し始めた。


 御婦人は元々はとある高貴な家の令嬢で将来は同じ家がそれ以上の家に嫁ぐ予定だった。


 しかし、御婦人は家の使用人と恋仲になり、密かに肉体関係を持った。


 そしてスザック様を身籠ったのだけど勿論そんな事がバレたら大変な事になる。


 御婦人は泣く泣くスザック様をお知り合いの家に引き取ってもらう事にして使用人とも別れとある高貴な家のご子息と結婚した。


 でも結婚してもスザック様の事は忘れられず密かに見守っていた。


「……この子の成長だけが私の生きる糧でした」


「という事は結婚生活は余り……」


「えぇ、旦那様は平気で愛人を作るような方でした」


 なるほど、最低ですね。


「最初の内は我慢していましたが愛人が身籠った事で私の居場所は無くなってしまいましたし愛情も枯れてしまいました、今では私は奴隷の様な生活をしています。これも天罰ですね……」


 そう言って苦笑いをする御婦人。


「でも運命ってわからないものである日スザックが使用人として我が家に雇われて来たのです」


「へぇ~、それは奇跡ですね」


「えぇ、心優しい子に育ってくれて私は表には出せませんでしたが嬉しかったです」


 しかし、ここまでの話でスザック様が死ぬような理由が全く無い。


「スザックは……、愛人の子に苛め殺されたんです。 愛人の子は我儘に育ち自己中心的な性格で使用人を扱き使っていました。特に歳が変わらないスザックはターゲットになってしまったそうです」


「それは……」


 私は言葉が出なかった。 

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