大会に向けて特訓だ!
収納空間内にとても広い運動場を作ってみました。というのも理由があって。
「というわけで、魔法大会に向けて特訓だ! えいえい、おー!」
「ディア様。あるじ様が特訓する必要があるって、そんなすごい大会なんですか?」
「いえ、主に手加減の特訓です。お姉さん強すぎるので」
そうなのである。私は強すぎるのだ。主にその、魔力圧? とかいうのが。
だから手加減を特訓しようと思うのだ!
五大老のみんなに作ってもらった偽装魔道具はあれど、逆に見合った威力の魔法を使わなければ「あれ、あいつあの魔力圧のくせに強くね? ドーピングか!?」みたいなことになりかねない。
ドーピングは良くないよね、ドーピングは。
「ちなみにディア君、この世界にドーピングとかあるの? 魔法の威力を高めるお薬とか」
「ええと、一応いくつかありますね。違法な物もあれば合法なものも。たとえばアンブロシアという魔力を非常に多く含む希少な果物がありしまして、これを摂取することで一時的に魔力が高まるそうです」
「へー」
MPアップの木の実、みたいな感じかなぁ。ふしぎなやつだ。
「アンブロシアかー。見つけたら食べてみたいね! あ、でも合法?」
「合法ですよ。とても貴重な果物で栽培もできず、先日行った植物園にもない代物ですが」
合法ならええか。いっぱい食べたい。
ちなみに世界樹については元々の気候があってるので育成可能。世界樹が育っているところにエルフの国ができた、という方が正しいらしい。
「どんな見た目してるんだろ?」
「ええと、確か以前読んだ本によれば『芳醇なる魔力を宿した金色の果実。滴る黄金の蜜は極上の甘い香り』……アイシアさんはご存じないですか?」
「え? ああ、毎日デザートで食べてるあのリンゴですよね」
ん?
「やだなー。あれはリンゴでしょ。ただの黄リンゴ」
「……あるじ様がそう言うならそうですね! あれは黄リンゴでした。アンブロシアなどという果物ではありません」
「だよねー。毎日のように食べてるアレがそんな希少な果物だったら驚きだよ」
「ええと。『険しい山の頂にあり凶悪な魔物達に守られている』とのことでしたが」
「まぁ山で手に入れたけど魔物とか居なかったしやっぱ違うんじゃないかな」
「そうですか。たまたま何かあって魔物がいないタイミングだったとか……うーん、考えすぎかな」
おっと、話が脱線した。
まぁそんなことより今は特訓である。
実は今回、大会参加に伴い応援団のチア服だけでなく私専用の魔法杖も作ってもらったのである!
私的に普通量(一般的に極大)の魔力を注ぎ込むと、ファイアボールが出たりする杖。あまりにも効率が悪すぎて、私以外には使えない一品。逆に調べられても誰も使えずバレないというヤツだ。
なんか杖内部の完全密閉した中で無茶苦茶発光&光を消す暗幕を展開して打ち消す盛大な無駄遣いをすることで外部にも魔力を出さないようにしているとかなんとか……
結局道具頼りの反則野郎じゃないかって? うるせぇ! 拘束具はアリなんだよ!
スポーツ漫画でも重りを外して「ククク、こっからは本気で行かせてもらうぜ……!」とかあるじゃん? な?
というわけでこの杖を使っての魔法に慣れるための特訓なのである。
素晴らしいことに、私が注ぐ魔力量に応じて出てくるファイアボールの大きさも変わる。可変出力なあたりさすが五大老、だけどどのくらいの大きさがいいものかなっていう話である。
試しに少し強めに注いでみるか……ぐっと。
「えい……あっやべ」
でっか。直径20mくらいの火の玉が出来上がっちゃったので即座に空間魔法に収納、消した。
あっぶねぇ。危うくディア君達火傷しちゃうところだったわ。
「……お姉さん?」
「い、今のはちょっと最大出力を確かめてただけだから! いやー、あんまり込めたらダメってことが分かったね!」
失敗は特訓に付き物だよね。最初から成功して成功しかしなくて本番で失敗する方が怖いのさ!
だから逆に成功だよ逆に!
「失敗することが前提なら、最初は小さくした方が良かったのでは?」
「じゃあディア君、お手本よろしく!」
「……ではいきますねー。えい、ファイアーボール!」
ディア君が愛用の杖を手にして振ると、ごぅん!! と大きな火の玉が飛んでいった。
「大会に出る程度なら、多分このくらいですね」
「おお。前にカルカッサのダンジョンで見た時よりずいぶんとデカくなってるね?」
「……はい、なんか最近魔力がとても増えていまして」
「成長期だな。そのうちおっぱいも大きくなるから、早めにブラ買わないとね」
「ボクは男なんですけど!?」
「うるせぇ! おっぱい付けてやる、巨乳の重みをとくと味わえぇい!」
「ひゃあ!?」
ぼいん、と私の胸をディア君の胸と空間魔法で入れ替え。わはは、ロリ巨乳エルフ可愛い!!
「あるじ様、遊んでないで特訓しないとでは?」
「ハッそうだった。んじゃファイアボールを」
「む、胸戻してくださいぃ……お、重みが……っ、身体にかかって……っ」
「あ。腕で支えると楽だよ? ん? 支えといて? ん? ん?」
「で、できませんよぅ!?」
ディア君は胸に触らないように手を横に広げつつ、猫背にならないよう気を付けている。以前やったときに感覚が私の方に繋がってるままだったのを覚えているのだろう。紳士的ぃ~。顔真っ赤ぁ~。
……可愛いからもうしばらく預かっててもらおうかな!
ってかデカいだけあって地味に重いんだよねぇ。運動するときも固定しないと痛いし。
……いずれディア君の胸をふっくらさせるくらいの肉体改造はアリだろうか? アリかも。五大老のみんなに女性ホルモンの錠剤とか作ってもらおうかなぁ……
(以下お知らせ)
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