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第四章-共闘- 8 『ーーー勝った』


(ーーーやっぱり、島田が言った通りだ!!)


 《流星(スターダス)闘技(ト・ファイト)》を発動する瞬間、アゲハの弾丸を受けたアルフレッドは、それを解除して、デフォルトで設定していた防御魔法ーーー《防御装(カルバリア)》を、半ば強引に発動してしまった。


(こいつ・・・アルフレッドは、魔法を発動する瞬間に攻撃を受けたら、防御魔法を優先的に発動する)


 この時、アルフレッドは、背後を取られた加藤から距離を置くために《流星(スターダス)闘技(ト・ファイト)》を発動したかったのだが、《防御装(カルバリア)》を発動してしまったため、それを断念したのだ。

 つまり、未だにアルフレッドは、上空で加藤に背後を取られたままという訳だ。


「ーーーチッ!!」


 当然、アルフレッドは、再び《流星(スターダス)闘技(ト・ファイト)》を発動して、加藤から逃れようとするがーーー、


「ーーー遅い」


 抜き身の日本刀(かたな)を最上段で構えて、すでに攻撃準備が整っている加藤の方が、アルフレッドより数段 素早く動ける。

 この時の一連の現象は、おそらく、コンマ1秒にも満たない内に起こったのだろう。


「クソが!!」


 刹那、《流星(スターダス)闘技(ト・ファイト)》を発動したアルフレッドが、身体から光を発して、加藤の前から離脱するーーー、その直前だーーー。


「《桜花流剣術・三日月斬り》」


 フォン と軽やかな音を立てて、加藤が大上段から日本刀(かたな)を振り下ろした。

 その瞬間ーーー、加藤の日本刀(かたな)から巨大な斬撃がアルフレッドへ向かって放たれる。

 放たれた斬撃は、(そら)を斬り、(てん)を割り、そしてアルフレッドへーーー、


「ーーーぐぅ!!」


 斬!! と直撃した。

 咄嗟に 身体を反転させて、加藤の斬撃を正面で受けたアルフレッド。無防備な背中に攻撃を受けるより、腕でガードできる正面から受けた方が マシ と判断した結果なのだが・・・。


「ーーーっ!?」


 正直言って、加藤が全力で放った一閃の前では、特に意味がない行動だった。

 両腕をクロスして斬撃をガードしたアルフレッド。さらに、汗腺から魔力を放出して、前面に《防御装(カルバリア)》を展開する。

 一般的な物理攻撃ならば、アルフレッドは、充分《防御装(カルバリア)》だけで防げるだろう。

 だがしかし、加藤の斬撃は強い魔力耐性を持つ。

 つまり、物理攻撃を弾く《防御装(カルバリア)》を斬り裂く効果があるのだ。


「ーーーな、、、にぃ!?」


 瞬間、高速で放たれた弾丸すら弾き返すアルフレッドの《防御装(カルバリア)》が、紙のように、すっぱり と斬れだした。

 こうなってくると、アルフレッドは、加藤の斬撃を生身で受けるしかなくなる。

 斬!! とクロスした両腕に、加藤が放った斬撃が食い込む。その瞬間、ペンチで肉をつねられた時の何倍もの鋭い痛みが、腕を通してアルフレッドの脳を突き上げた。


(つう)っ!!」


 だが、それも一瞬のことだ。

 痛みを感じた刹那、アルフレッドの両腕は、鮮血を巻き上げながら宙を舞った。

 血を吹き出し、飛んでいく自分の腕を見たアルフレッドは、刹那に理解する。

 この先、自分が死ぬ未来をーーー。


「ーーー()った」


 ぽつり、と加藤が呟いた瞬間、斬撃がアルフレッドの肩に食い込み、その肉体を袈裟斬りにする。

 衝撃で地上に落ちて行くアルフレッドの脳内では、きっと、これまでの人生が高速で再生されているに違いない。

 そして、加藤の渾身の斬撃が地上に到達した瞬間ーーー、斬!! と地面が2つに割れて、アルフレッドの肉体が真っ二つにされる。


「・・・っ」


 上空から その光景を目にした加藤は、ごくんッ と生唾を飲み込みーーー、


「ーーー勝った」


 自分の勝利を確信した。




***************




 加藤の斬撃によって、アルフレッドが両断されたのは、遠目で見ていた島田でも よく分かるモノだった。

 だからこそーーー、


『ーーー勝った』


 と、斑鳩(いかるが)の《受信(キャッチ)と送信(アンドリリース)》で脳内に聞こえてきた加藤の言葉に、島田は素直に喜び震えた。


「ーーーよし!!」


 思わずガッツポーズを見せて 短く叫んだ島田はーーー、


「斑鳩さん!」


 《受信(キャッチ)と送信(アンドリリース)》で繋がっている斑鳩に 通信を図る。


「みんなに伝えてください。加藤がアルフレッドを倒しました!!」


 島田の通信を聞いた斑鳩は、『っ!』と小さく息を呑んだ後ーーー、


『了解だ』


 そう短く答える。

 こうして、アルフレッド討伐作戦 成功の知らせは、作戦に関わった全ての者に直ぐさま伝わった。


「ーーーやったぁ!!」


 アゲハは、大手を振って素直に喜びーーー、


「ハァー、、やれやれだゼ・・・」

「なんとか勝てたみたいだね。まったく・・・」


 シャノンと五島は、勝利に安堵する。


「勝てたみたいやねぇ・・・それにしても、(そら)のやつ 怒ってるやろなー・・・。満足に説明せん内に 危険な役 押し付けたし」


 志摩(しま) (うみ)は、今後の姉に対する対応に頭を悩ませた。

 そして、四門(しもん)はーーー、


「・・・? ほ、本当に・・・勝ったの?」


 アルフレッドが倒された事が にわかに信じられず、不安と安堵の間で頭を揺れ動かせた。


「し、島田くん・・・ほ、本当にアルフレッドは倒されたの・・・?」


 だから四門は、島田に通信を図って、アルフレッドの死を今一度 確認する。

 心の隅で うごめく不安を消し去るために・・・。

 だが、四門に疑問に応えたのは、島田ではなく五島だ。おそらく、複数同時通信になっていたのだろう。


『安心しな、四門。私の視力でも しっかり見たからよ。奴・・・アルフレッドが真っ二つになるところを。アレで生きてるはずがないよ』

「そ、、、そうなんだ・・・」


 五島の視力は5.0あり、常人より数倍 目が良い。

 そんな五島が自信満々に言うのだから、きっとアルフレッドは完全に死に絶えたのだろう。

 だがしかしーーー、


(ーーーでも、なんだろう この感じは・・・? 嫌な予感が消えない・・・)


 四門の胸に わだかまる不安が消える事はなかった。

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