セイの村
この村に泊まる所があるのかノエルに聞いた所、この村に宿屋は無いらしく、空いた家を利用した民泊しかないとの事。
ちなみに、ルーの店でも民泊を営んでいるらしく、一泊ギルザ銀貨3枚だったので、先ほどの買い物と合わせてギルザ銀貨14枚分を、ルーブル銀貨7枚で支払った。
外食みたいな食事ができる所は、この村に一つしか無いらしく、セイの酒場というところらしい。
基本はお酒を飲む為の飲み屋らしいのだが、食事も取れるとの事。
この話の流れで知ったのだが、ここの村の名前は「セイの村」というらしい。
当初、この辺には村が無かったらしいのだが、転生の地という生死を司る場所があるというのが知れ、様々な理由でそこを訪れる人が滞在する場所として、この村が出来たというのが発端らしい。
生死を司る場所の近くの村から、生死の村と略され、村に死という字が混ざっているのは縁起が良くないということで、生の村、セイの村と呼ばれるようになったとか。
「そういえば、ノエルってあの二人とあまり仲が良くないのかな?
特に、サラって子がやけにノエルを目の敵にしてた様な気がするけど」
ノエルもあの二人がいると知ってから雰囲気が変わったし、サラはあからさまだったけど、レインに対しても余所余所しい感じがしてた気がするんだよね。
レインのノエルに対する感じはかなり馴れ馴れしい感じだったけど。
「そうですね、セイヤさんも先ほどのやり取りを見てらしてたのでお分かりになると思いますけど、私はサラさんに毛嫌いされているようで、会う度にあんな風に突っかかってくるので苦手意識が生じてしまって……。
レインさんは私と打ち解けようとしてくれるのは分かるんですが、レインさんが来る時はいつもサラさんが一緒なので、それで自然とレインさんにも苦手意識が芽生えてしまった、みたいな感じなんです」
なるほど、確かに毎回あんな風にイチャモンつけられたりされたらたまったものじゃないし、苦手意識が芽生えてしまうのも仕方ない気がするな。
けど、なんであんなに毛嫌いされるようになったんだろう。
あそこまでなるには何か理由があると思うんだけど。
「そっか、確かにいつもあんな風だと苦手意識が生じちゃうのは仕方ないかもしれないね。
んー、言いたくなかったら言わなくてもいいんだけど、サラって子がノエルをあそこまで毛嫌いするようになった理由って何かあったりするのかな?」
何の理由も無しにあそこまで毛嫌いするようになるって考えられないんだよなぁ。
「それは、きっとギルバードさんの……。
いえ、やっぱり分からないです。
セイヤさん。
セイヤさんは、今日お二人の依頼に付いていかれるんですよね?
それなら、サラさんに直接お聞きになった方が良いのではないでしょうか?
出来れば私もサラさんの口から直接お聞きしたいぐらいなので……。
前に直接サラさんに聞いた事はあるんですが、はぐらかされて答えて下さらなかったんですよね。
セイヤさんが、直接サラさんに理由を聞いてもらえるのであれば、私としても助かります」
あれ、なんか変な流れになったな。
コミュニティ能力がそんなに無い俺に、そんな難易度高そうな対人クエストはクリア出来そうにないんですけど。
「俺もあの二人とはさっき知り合ったばっかりだから、あまり踏み込んだ事は聞けないかもしれないけど、そのうち機会があれば聞いてみるよ」
と答えるので精一杯でした。
後は研ぎ石の使い方を軽くレクチャーしてもらって、民泊の条件や注意点を聞き、泊まる所の事もあるので、また村に戻ってきたら会いに来てくれと言われたので、戻ってきたら会いに行く約束をして、ルーの店を出たのだった。




