ルーの店で買い物
「ちょっと、店内を見させてもらうね」
ノエルにそう断り、店内を物色させて貰う事にする。
軽く見渡しただけで、店内の中には所狭しと雑貨が並んでいる。
瓶に詰められた液体や粉、何か入ってる布袋が詰まれていたり、コップや器や瓶などの入れ物から、ナイフやフォーク、布やハンカチなど生活用品みたいなもの、色とりどりの石や金属製のアクセサリーなどの小物、はては釘や木材などの日曜大工用品まで置いてある。
剣の予備が欲しかったんだけど、武器類は置いてないみたいだな。
ナイフや包丁とかの刃物も置いてないところからすると、武器になりそうなものは置いてないのかな。
それともカウンターの奥とかに置いてあったりするんだろうか。
とりあえず、必要な目ぼしいものの値段を一通り見ていく。
コルクみたいな木で蓋をされた空瓶、銀貨3枚。
焼き物の皿、銀貨1枚。
焼き物のコップ、銀貨1枚。
鉄のナイフ、銀貨3枚。
鉄のフォーク銀貨1枚。
とりあえず、見た感じで欲しいものだけ重点的に見てみたけど、値段はこんな感じか。
日本とかなり物価が違うみたいだけど、銀貨1枚が千円ぐらいな感じがするな。
水とかを保存しておくように空き瓶が欲しいんだけど、銀貨3枚だとあまり多くは買いにくいな。
宿代とか食事代とかもいるだろうし、お金に余裕が出来るまで無駄使いは避けないと。
そういえば、昨日狩りでアイテムボックスに収納したポークラビットとかって買取してくれないのかな?
「そういえば、ここって買取とかしてるのかな?」
俺の方をじっと見つめていたノエルと目が合う。
「一応買取りもしてますけど、高価なものや変わったものとか、相場が安定してないものの買い取りはルーさんが帰ってきてからになりますね」
「魔物の買取りとかもしてたりとかする?」
「ポークラビットとか、食用の魔物の買取はしてますけど、食用の魔物はギルバードさんが卸してくれているので、ここでの買い取りだと他の村の相場の半額以下になっちゃう感じですね」
ノエルは申し訳なさそうな感じで答えてくれた。
うーむ、ここで売っても相場の半額以下か。
ギルバードさんが卸ろしてて在庫を抱えてるなら、売ると逆に迷惑になるかもしれないな。
今日はとりあえず二人の依頼についていく予定だけど、明日からこの村を出て他の村に売りに行ったほうがいいかもしれないな。
「じゃあ、とりあえず研ぎ石と、空き瓶3つだけ貰えるかな?」
「はい、研ぎ石が銀貨2枚、空き瓶が三つで銀貨9枚、合計銀貨11枚になります」
俺は銀貨11枚を取り出して、カウンターに置いた。
「セイヤさん、これ……」
ノエルが俺の置いた銀貨を見て、不審げな表情に変わる。
あれ、もしかしてアイテムボックスに入ってた銀貨って使えないのか?
まさか支給された銀貨が偽者とかじゃないよな……。
「これって、ルーブル銀貨じゃないですか?」
「ん?ルーブル銀貨?」
「ああ、そうか、セイヤさんは昨日この世界に転生されてきたんでしたね。
それなら、この世界の貨幣についてもご存知ないかもしれませんね。
ルーブル銀貨というのは、大陸の中央に位置するルーブル王国が発行している銀貨の事で、この世界では一番流通している、貨幣価値が高い通貨なんですよ」
んー。地球でいうドルみたいなもんなのかな。
「この国は大陸の南東に位置する、ギルザバードという国で、別名、商人の国とも呼ばれています。
この国で流通してるのは、ギルザバード銀貨、略してギルザ銀貨とか呼ばれたりしますね。
ルーブル銀貨との交換比は1:2~1:3ぐらいな感じです」
「んー、じゃあ、このルーブル銀貨はここじゃ使えないって事なのかな?」
こんな辺境の村に両替商とかいないだろうし、お金が使えないとなると困った事になるな。
「いえ、ルーブル王国の貨幣は貴重ですから、大抵どこでも使えますよ。
ただ、交換比率は場所によって違いますから、出来るだけ比率が良い所で交換しておくのがいいと思います。
ちなみにこの店だとルーブルとギルザの交換比率は1:2ですから、あまりお得な両替効率では無いです」
そっか、ルーブル硬貨は価値があるけど、それだけしか持ってないと足元見られるって事か。
ここは辺境の村だそうだし、交換比率が悪いのも仕方ないか。
うーん、ギルバードさんやノエルには悪いけど、この村に長くいるメリットは薄そうだぞ。
早く交換比率のいい所に行って、ルーブル硬貨をギルザ硬貨に両替しないと。




