厨二病を患った変装しました!あれ?啓太ァァァァ!イケメン爆発しろ!爆発だあああ!
結城に闇属性を植えつけられた……いや、脳内にコントロール方を刻み込まれた、か。ともかく俺は闇属性を使えるようになった。
頭の中には今、高速で「闇属性のコントロール」のついてのことがビュンビュン入ってくる。が、その言葉の大本は俺の意味のわからない言葉ばかりで。でもその意味がわかる。謎だ。け、決して俺の国語のテストの平均点が15点だってわけでは……。
頭に入ってきたのは魔力を闇属性に変質する仕方方法、あたりから闇を見出す方法、闇の力を直接コントロールする方法。
ちょっとまて結城。既に俺の頭はもう限界なんだが? 知恵熱が、知恵熱が「3ヶ月ぶりに」出そうだ…………前の時は一学期末テストだったな。あのときはリアルにぶっ倒れた。んで結城に盛大にからかわれた。
「どうしてテスト勉強如きでぶっ倒れるんだ! 」
とか言われたっけ……。
いやいや、倒れない人の方がおかしいだろ。え、倒れる方がおかしいのか……? ……なんだろうな。だが今俺の頭は知恵熱で浮かされてるんだが…………。
体からどんどん溢れ出る魔力と勝手にできた闇魔法を何となくで出来た魔力制御で止めて一息つく。横で結城が興味深げに俺の目を覗き込んでいるのがわかる。さながら実験動物の気分だな……。
「どう? 」
「闇の世界に結城を閉じ込めてやろうか? 」
「残念、俺の体は今この世界から出れないから……。ってことは成功したんだね」
そんなに胸をなでおろしてるってことは……結構これ、ヤバかったんじゃないか? ま、まあ結果オーライなのか、か? ……こええよ。
「じゃあ晴れて啓太は闇帝ってことで。じゃあ、ドラゴン討伐行こうか」
「ちょ、ちょっとまて、今すぐ行くのか? 」
「当たり前じゃない」
冗談じゃないぞ。今だってまだフラフラしてる……? あれ?
「フラフラしてるみたいなんで医療の魔法で回復しました! さあ行こうか! 」
「まあ、待て」
「ん? 」
結城が早速「転移」でドラゴン討伐に行こうとしているみたいなんだが、それはまあ待って欲しいものだ。もうxランクの討伐に行くことに関しては諦めた。諦めは早くないほうなんだが結城の「主人公モード」を止めれたことはないからな。
「とりあえず近くの森に行こう。話はそれからだ」
「うん……? まあいいや。啓太、変な話だったら僕ドラゴンに手を出さないからね」
「見殺す気かよ! 」
・・・・
・・・
・・
・
近くの森ねえ。ここで話を聞かれたくないってことだよね。うん、じゃあこの城下町に一番近い「はじまりの森」っていう感じプンプンのする「影の森」でいいよね。
「『転移』! 」
・・・・
・・・
・・
・
「で、何の話? 」
「それなんだが……帝ってことは厨二テンプレ如くフード付きコートで顔を隠したり、その下に仮面をかぶって隠しなきゃなんねえ程のもんだろ? で、フードかぶっても外れるときは外れる。それがテンプレだろ? 」
つまりバレるリスクをさらに減らしたいわけかな。仮面やフードは手で取れるもんね。外した時に見られたら終わりだし。流石は授業中に携帯小説読み漁ってただけあるね……。ハッ! だから啓太は馬鹿なんだ!
「そうだね」
「だからその下にも変装しとけばいいだろう? 」
「…………わお」
あの啓太くんが、まともな、しかもとても使える意見を言うなんて! びっくりだよ! 頭の良さまで変わってるし!
「ってことで俺に一番似合わない変装を求む。あ、キャラ変えてみないか? 面白そうだし……」
「了解。金髪に赤メッシュで目は青の無口クーデレキャラ、OK? 」
「言うのはええよ」
変装なんて魔法でちょいちょいとすれば簡単だしねえ。髪色変えて、心なしか顔つきをちょっといじれば啓太だって、闇帝だってわかんないね。あ、クーデレキャラはおふざけなんだよね。まあやってくれることを望むね。さらにわかりにくくなるのは事実だろうし。
ってキャラ変えるって……厨二病かあああ!!
「…………イケメンは変装してもイケメンかああああああ! 」
「お、落ち着け結城」
顔の作りをものすごい嫌味で可愛くして髪の毛をさらに嫌味で肩まで伸ばしてから(ここまでやっても女の子には見えない謎。ここまでやっても可愛い系「イケメン」)啓太に意見を聞く。普通ならこれで女の子に見えるだろ! なんでイケメンのままなんだ! 余裕で啓太が男ってわかるのは何故だああああああ!
「じゃあ銀髪赤目で元気いっぱいデレデレキャラ」
「それ明らかに仕返しだよね? デレデレとかなんだよ、男がデレても気持ち悪いだろ……。しかも赤目とか嫌ァァァァァ! 」
あの、目が赤くなった厨二現象を思い出す……。確実に黒歴史入りしたあの瞬間を…………。ヤダアァァァァァァァァァァァ!
「俺に金髪赤メッシュとか言ってる自体で結城は厨二病末期患者だから安心しろよ……」
「銀髪赤目とか言いやがった啓太くんも末期だね……」
「「ハァ……」」
ため息をつきながらも僕は啓太の言った通りの変装を僕にも施した。
「ドヤァ……」
「顔も変えたほうがいいな。もうちょいキリッとした感じとか」
「僕で遊んでるだろ……」
「こういう時には俺が言うべきなのは……確か『テヘッ』? 」
「あぁぁあああぁぁぁ! こんなんやっててもイケメンとかムカつく! 」
銀色に変わった髪の毛を啓太と同じくちょっとばかり伸ばしてから(啓太ほどじゃないけどね)顔をきつめに変えておいた。
「これで僕かわかる? 」
「わかるわけない、知らなかったら俺もスルーだわ」
「そ」
変装は完了したし、かなり啓太が引き伸ばしてきたけどxランクのドラゴン狩り行こうか!