008⚫️ゴライブ旅行記 その8 & 009●破壊神 再び
008⚫️ゴライブ旅行記 その8
だれが、小悪党だあ!っと叫んで目が覚めた。
うーん、嫌な夢だった。
この正義を貫こうと奮闘している、このわたし、ゴライブを美食家の小悪党だと!
美食家ではない!ない、と思う。思いたい。
だあが!小悪党とはなんだ!
いや、夢だ、夢。気にしない、気にしない。
わたしには使命があるのだ。
きっと、昨晩遅くまで、公国をアッといわせる計画を考えていたせいだ。
決して、ポテトチップスを食べすぎたためでは、なあい!
009●破壊神 再び
夕暮れの都市は、静かに息を潜めていた。
ブリッツは、高層ビルの屋上に伏せていた。
風は穏やか。空気は乾いている。
彼の手には、精密に調整された長距離狙撃銃。
銃身は冷たく、スコープの中には、3km先のホテルが映っていた。
標的は、ホテルの21階。南向きの角部屋。
カーテンは半分開いている。
室内の照明が、窓辺に立つ人影を浮かび上がらせていた。
ブリッツは、体勢を整える。
風速、湿度、気圧、距離、弾道。
すべてが瞬時に彼の脳内で計算されている。
彼の指は、わずかにトリガーに触れている。
まだだ。呼吸は一定。まだ、撃たない。
標的が、電話を取った。
その瞬間、ブリッツが目をわずかに細める。
彼は、風の流れを読み、建物の熱気による上昇気流を補正し、照準を微調整する。
今だ。
引き金が落ちる。銃声は、夜の闇に溶けた。
弾は、空気を裂き、都市の喧騒を越え、ホテルの窓を貫いた。
ガラスが砕け散る。
標的は、電話を持ったまま、ゆっくりと崩れ落ちた。
ブリッツは、スコープから目を離す。
銃を分解し、ケースに収める。
彼の背後には、ただ静寂だけが残っていた。
任務完了。
破壊神は、再び影の中へ戻っていく。




