023⚫️最後の映像
ルナも回復し、全員に報告を行う。
「と、いうことは、惑星ゼルダンは生きた巨大な記憶装置ですな。」
「と、いうことは、近寄ると記録や記憶までアクセスしてくると。」
「と、いうことは、ムチャクチャな情報で矛盾を解決できず、混乱したと。」
そのとおりや。いや、まったくあんなものがあるとは、な。
「でも、どうやってアレ、できたの?だれかが、作ったのかしら?わたし、頭の中までのぞかれてしまって。あんなこと、できるものなの?」
「いや、今の我々の科学力では無理やな。・・・もしかしたら、エンジェラム星間連合やったら、できるんかもしれへんけど。」
「あっ、’ジュピター’ならできるかもしれませんな。」
「あのシンプルな操縦席、よかったなあ!」
「僕は、やっぱりシールド性能に魅せられますね。」
「それで艦長、何か記憶に残っている、向こうの情報はあるんですか?」
「いや、クドー、それやねんけどな。月が4つ、足元には波、むこうからトカゲが槍持って近づいてくるのは憶えてんねんけど。ルナ、どうや?」
「わたし・・・なんか引き出されてしまった代わりに、いくつか気になる情報があります。」
「それはなんなん?」
「う〜ん、はっきりとは言えないんですけど。円周率の規則性とか、素数の絶対的な出現法則とか。」
「え〜!’もひとつ’、それって大発見じゃないのお!」
「そうです!すごい!詳しく、僕にも教えてください!」
「いやあ〜、それがあ・・・。肝心なところで途切れてて、よくわかんないんです〜。」
「ハリーがゼルダンでのことを言わなかったのは、記憶に残っていなかったのか、理解できなかったのか、あるいは言っても誰も理解できないと考えたのか。そのどれかかもしれへんな。」
「うーん、だが、実に惜しい!人類の命題を解決するところでしたな。しかし、確かに’もひとつ’の記憶は、いくらか伝わったようですね。」
「どういうことや、クドー?」
「惑星ゼルダンを離れる時、撮影された最後の映像がこれですから。」
あっ、地表に、巨大なハートマークが出てるで!
「’もひつとつ’の愛ですな。ハッ、ハッハ!」
みんなで笑い合う。まあ、ええか。
でも、これ上層部に報告したら、どうなるんやろ?




