表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
PR
199/201

女性用【溺れそうに笑って】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂0:♀1:不問0

 ワイングラスを拭く女性

[あらすじ]《3分程度》

 きゅ、きゅ、とみがき上げられたグラスを更に拭く。自分の顔が鮮明せんめいに映るくらいには。ここではそれくらいしかやる事がないのだから。嗚呼、今日も月が青い―――。







【ワイングラスを拭く女性】


 どれほど時間を掛けても、

 どれほど時間が経っても…

 あの月がかたむく事も、ける事も無い。


 この部屋のたなに、

 磨き上げられたグラスを並べても、

 この子達にワインががれる事も無い。


 …これはつみ。ワタシの罪。

 時間が進んでも、

 進まなくともゆるされないワタシの罪。


 謝罪の言葉も、言い訳も、

 つむがれる羅列られつは全てきたりで、意味が無い。


 ワタシが犯した罪は、

 そんなものでうすまらない。


 ……良いのよ。良いんだわ。

 ワタシは、

 ワタシが赦されない事を一番望んでいる。


 例え、誰かがそれを罪ではないと言っても。

 ワタシにとって、それは罪以外の何物なにものでもない。



 ワタシは

 人と関わる事に向いてなかったんだわ。


 ワタシは

 可哀想かわいそうな人間を演じきる事が出来なかったんだわ。


 ワタシは

 くだらないプライドだけをたずさえて、

 下らない人間になるしかなかったんだわ。


 ワタシは傷つく価値さえ無かった。

 傷ついた、と伝えても

 そんな事はザラにあるのだと

 常識を語られて終わったのだから。


 罪をおかしたワタシは

 加害者でしか無い。


 罪を犯したワタシは

 一瞬のすき

 被害者になる事は赦されない。


 弱さを見せても

 それは言い訳にしかならなくて


 強がって見せても

 それは攻撃としかとらえられなくて


 ワタシの主張は

 ワタシが傷つけた相手の主張に消えた。


 何も言うな、という事だわ。

 我慢しろ、という事だわ。


 相手を傷つけたお前には、

 何一つ言葉を紡ぐ価値が無い、という事だわ。


 傷つけた相手にもワケがあったわ。

 ぬぐえない過去があったわ。

 可哀想な境遇きょうぐうだったわ。


 ワタシには、

 「それが何だ」と

 「ワタシには関係ない」と

 振り払う事も赦されない。


 それらに便乗びんじょうして、

 ワタシも過去を語ろうとしたわ。


 ワタシの口から過去は紡がれなかったわ。


 それを話したところで何だと言うの。

 そんなもの、相手には関係ないのだから。


 ワタシがこうなったのは過去それらのせいではなく、ワタシ自身の問題だもの。




 …ワタシの罪は、ワタシが消させない。

 死ぬ事でもつぐなわれない、ワタシの罪。


 ここに延々(えんえん)とらわれている事が、

 あの青い月に見つめられている事が、

 一生埋まる事のない棚にグラスを並べる事が、


 ワタシが今、すべき事。














STORY END.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ