男性用【カップ麺なら可能です】
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演技がわざとらしいホテルマン
[あらすじ]《2分程度》
“お客様”、と呼び掛ける声に目を覚ます。自室のベッドで眠っていたはずの貴方は、豪華なホテルの一室に居た。貴方は自分を起こしたであろうホテルマンを見上げて―――。
【演技がわざとらしいホテルマン】
お早う御座います、お客様。随分永い事、眠っておられましたが、憑かれておいででしたか?
・・・はて。此処は何処かと。
こちらは黄泉国の中心街に位置する、ウンブラホテルで御座います。
黄泉国とは? 文字通りの黄泉の国で御座いますよ。大分記憶が混濁しておられるようですね・・・。
自分は死んだのか、ですって?
いえいえ、とんでもない! この黄泉の国に死者は来られませんよ! 此処は現世で憑かれた生者様方が来られる所ですから。
生者様方の疲れを癒し、憑かれを除くのが我々黄泉国の住人の御役目ですので。
ところで、お客様。
御目覚めになられたばかりの所、大変申し訳無いのですが、お客様の当ホテルのご利用時間が残り三分となりましたので、大至急チェックアウトのお手続きをして頂きたく。
何か必要なのか、と?
はい、こちらの用紙にサインを頂きまして、そして、・・・おや、何処に置きましたか・・・っとありました。
こちらのカップ麺をお持ち頂ければと思います。お湯はもう入れてありますので、三分後にお開けして、食されるも良し、お知り合いに差し上げても良し、で御座います。
(少し声を大きくして)
さあ、お早く。
はい、こちらにサインを。いえ、ペンは必要ありません。お客様の指でお書き下さい。我々にはそれで十分なのです。
はい、完璧で御座います!
それではお客様。
当ホテルのご利用、有難う御座いました。
またの御利用が、もう二度と御座いません事を願っております。
STORY END.
目が覚めると、自室のベッドの上にいた。
あれは一体、何だったのか。
呆然とする自分の傍に、
伸び切ったカップ麺が置かれていたのだった。




