表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネガティブな僕と、中二病っぽい彼。  作者: ホワイト大河
第一章 変わること、変わらないこと
36/155

五年前の衝撃(6)

というわけで、日曜日勉強会。

午前は一人のんびり過ごした。どうせ午後は勉強するんだし良いだろ。

と母親には言い訳しつつ、昼飯のそうめんを食べた。


約束の13時。俺は部屋で少しそわそわしながら待っている。

予備の机も借りておいたし、準備は万端、

そう思った時にインターフォンが鳴ったので、俺は玄関へと降りる。



「……あ、どうも……」

「ようコウタ……あれ、一人か?」

「うのぽんのクソヤローが、部活の練習から帰った後のんびり準備しやがりまして、約束に遅れそうだったので一人で先に来ました。」

「ああ、いつもの事だな。ま、入れよ。」


ツヨシ、身だしなみに時間かける必要ないだろ。

他に意図が……まあいい、何とも言えない表情をしているコウタを招きつつ、

俺は先に階段を上がろうとすると、コウタが後ろでキョロキョロしていた。


「どうした?」

「あ、あの……タツヤさんのお母さんは……」

「ああ、さっきまで居たんだけどな。趣味がどうこう言って出ていった。」

「そうですか……じゃあ、お邪魔します……」


そういえばコウタのこういう感じ、久しぶりだよな。

前回の学年末試験では、変な勝負に巻き込まれたせいで、

優等生連中に色々と叩き込まれ、コウタたちとののんびり勉強会が出来ず、

なるほど、だからこいつがうちに来るのは久しぶりってわけか。


「コウタ、たまには何かゲームでもするか?」


何となく勉強会でしか家に来ないのも変だと思い、

部屋に着いた瞬間に聞いてみた。コウタが余計に挙動不審になった。


「え……えーっと、僕、あまりゲームやらなくて、超絶苦手なので、ひたすら迷惑をかけると思います……豚のヒヅメだとコントローラー持てないからあはは」

「中学の時とか何してたんだよ?」

「えっ!……ああ、そうですね……あの、外で遊んでました。あの、ほら野球とかやってました!」

「ケッ、とんだスポーツ少年だな……」


一瞬コウタがビクッとして、急に慌てたのは気になったが、

とりあえずゲームする気はあまり無さそうなので、

俺もやる気を出して机の上に勉強道具を並べた。

コウタが鞄から英語を出したので、とりあえず俺も英語をやる事にした。


「あの、タツヤさん仮定法分かります?僕、どうしても苦手で……やっぱり難しいですよね……」

「まったく、あんなの時制一個戻すだけだろ。」

「ほえ?」

「非現実の事を語る時は時制一個戻せばいいんだよ。英文法なんて日本語と少し違う決められたルールを覚えていくだけ……」


俺も自分で言っていて驚いた。自分の口が動いてると思えなかったのだ。

思えば、学年末テストの時、手段を選ばなかった神様は、

文系一位の城崎さんを味方に加え、俺に文系教科を教えるよう指示した。

スパルタで大変だったが、あれ以来、スムーズに理解できるようになって、

あんまり好きじゃなかった英語も、結構分かるようになってきたのだ。

ケッ……優等生は違うってわけだ。まったく。


「タツヤさん、学年末でほぼ全教科僕より出来てましたもんね……もうそろそろ僕は足手まといなのかもしれません……」

「いやいや、そんな事無いだろ。俺も教えながら、アウトプット出来るからよ。とりあえず一緒に頑張ろうじゃないか。」


唖然としているコウタを励ましつつ、苦手だと言う仮定法を教えていると、

またもやインターフォンが鳴り、俺は一人で玄関へ。30分遅刻だ。



「ハロハロー。ごっめんねー。」

「お前狙って二人にさせたのかよ?そういう裏工作はやめてくれ……」


ツヨシのウインクを見て、やっぱり裏工作かと納得し、

コウタ同様上へと案内した。俺の部屋でコウタは黙々と問題を解いていた。


「なんかコウタいつもより真面目じゃね?どしたの?」

「……失礼なこと言わないでください……ただ、僕も英語Bクラスに上がりたいので、ちょっと頑張ろうかな、って……」

「ああ、頑張ればいけるんじゃね?」


ツヨシは楽観的な様だが、そうはいってもバルガクは進学校。

そう簡単にはクラスを変えさせてはくれないと思うがな。

ところで、ツヨシが来たから……えーっと本題を忘れた。

何だっけか、英作文を見てもらおうとでも思ったんだったかな?


「お、ツヨシ、そういや英作文で不安な事があるんだが……」

「タツヤとコウタは英語Cだから、Bの俺とは先生違うじゃん。だから、そっちのクラスの教え方とかはよく分かんね。」

「……ケッ、さらっと嫌味言いやがって。」


……いや、本題はこれじゃない気がするな。

何だっけか……と悩んでいると、ツヨシがそんな俺を見て言った。


「なに悩んでんの?シンゴ君のこと?」

「……お、それだ。さすがツヨシ!」

「ああ、なんか神様が聞き出そうとしてるけどね、こっちに対しては完全にシャットアウトしてる感じだから、難しそーじゃん。」


俺のことをよく心得ているツヨシは、とりあえずそう一言述べて、

自分の勉強道具を出し始めた。どうやら数学をやるらしい。

俺は自分の勉強そっちのけで、ツヨシに聞き出しにかかる。


「神様はどこまで掴んでるんだ?神様と綿華が何とかするって言うから、俺はとりあえず待ってるんだが……」

「ふーん。逆にタツヤはどこまで知ってんの?共有しよーじゃん。」


ツヨシがそう言うので、俺はテルとの会話・表情から掴んだ情報や、

五組に直接乗り込んで、シンゴから聞き出したことを、

怒られるのを覚悟で、ありのままツヨシに話した。

ツヨシは数学の問題を解き進めながらも、ふんふんと聞いており、

コウタに至ってはいつの間にか手を止めて、真剣に話を聞いてくれていた。


「ってことは、タツヤって結構シンゴ君から信頼されてんじゃね?」

「……信頼か。確かにシンゴとはつかず離れずって感じで、すごく仲が良かったわけではないが、悪かったことは無いし、遊ぶ時はほとんど一緒に居たような気がするな。」

「ふーん。じゃ、どんどんシンゴ君から聞き出せばいいじゃん。」


「まあそうなんだが……シンゴだって話したいわけじゃないからよ……テルの時みたいに、嫌な気持ちにさせたら悪いからな。その辺は慎重に行こうと思ってるんだよな……まったく。」


そう言い終えた時、ほんの一瞬だが、

コウタもツヨシも少し驚いているように見えた。

……時間をおかずに、コウタが思わず口走る。


「……タツヤさん、やっぱり変わりましたよね……」

「え?いや……まあ綿華のアドバイスでよ。俺は突っ走って迷惑かけるから、気を付けねえとな、って思ってさ。」

「なるほどねー。でも、タツヤはタツヤらしくて良いんじゃね?」


ツヨシがシャーペンを動かす手を止めて、俺を見てきた。

……タツヤらしくって、どういう意味だよ。


「タツヤはうざったいほど友達思いなのがいーとこじゃん?」

「お、おう……一言余計だが。」

「シンゴ君の事が気になるなら、トロい神様なんか待ってないで、シンゴ君に聞いてみたらいーじゃん。多分テル君と違って、大丈夫じゃね?」

「ああ……でも、聞くとしたら昼しか時間ないから、いつも昼に押しかけてプライベートな事を聞きまくるのもいかがなものか……」



「じゃあ今晩、寮に侵入したら良いんじゃね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ