10,
それから二週間後。
「はい、もう大丈夫ですよ。体も安定していますし、できるだけ外には気を付けてください。」
「はい、ありがとうございます。先生。」
「よかったな、皐月。」
「あぁ。」
皐月と宗吾は念のため病院に来ていた。アリアの身体を気遣ってか、だが先生からの許可をもらい少しだけならと、宗吾と皐月はアリアを外に出すことに。
勿論、首輪に名前と住所を書いて。
一晩経って。
「さぁ、アリア。散歩に出かけてもいいよ。」
「昼時と夕飯には帰って来いよ。」
ニャっ!
タっ、チリン。アリアは宗吾の言うことがわかっているのだろうか、返事をして外へと走っていく。
初めての外、匂いを嗅ぎながらあの猫たちを探す。
ニャーオ!
『あ!きのうの!』
『よっ!』
『きみ、かいねこ?』
『?、かいねこ?ってなに?』
『かいねこっていうのはね。」
「おい、チビ。それはおれがいうからだまってろよ!」
「なんだよ、ホース。オレがいったって。」
あぁ、なんだか……いやされるわ~。
オス猫のじゃれ合う二匹。アリアはなぜかホンわかしていた。
「(あぁ、いいなぁー。)」
“! ! リアー!”
「!」
「?、どうした?」
「……おうち かえる。」
「「?」」
“ -ス!”
「!」
“ ビー!”
「!」
「「「………………おひる…………ごはん!!」」」
顔を合わせて数分経たずに それぞれ家に帰りました。
モグモグ ニャグニャグ
“うまいか?”
ニャー『おいしい!』
“うん、ゆっくりしておいで。”
にゃー『はぁーい!!』
「んでな。」
「そいうことでな。」
「へぇー。」
話し合う三匹。他愛のない話、アリアに友達ができたので良しという一日になった。
Z- Z- Z-
お昼寝をする姿を皐月は撮っていた。
「?、何やってんの?」
「写真撮ってんの。」
今回は猫の会話が多く、平仮名での会話です。実際猫の会話を聞いてみたいですねー。猫から見て人間の声がどう聞こえているのか解らないので別な“”でお送りしました。