まかせていいの、フクロウ君?
おばあちゃんは通販が趣味でたまに利用している。ネット通販は使えないから、カタログ通販とか、新聞の通販とかを利用する。「かわいいカバン持ってるね~」なんて思ったら、それは、ほぼ100%通販。
値段を聞いて、「えっ、そんなに高いの?」なんて驚くことがある。お母さんの解説によると、「年金暮らしだから、そんなにお金を持ってるわけじゃない。ただ、ほかに趣味もないから、お金の使い道がないんだと思う」ってことだった。ちょっとかわいそう。私はカフェ巡りが趣味だから、今度連れてってあげようかな? でも、おばあちゃん、膝が悪いしなあ……。
私が大学を卒業したとき、幸せを呼ぶフクロウのペンダントを買ってくれた。純銀製の高級ジュエリーで、おめめにはブラックダイヤモンド、足元にもダイヤモンドってなんだかすごいから、気になって調べたら、桁が違ってた。20万円近くする。こんな高いの着けられないよ~。フクロウっていうのも微妙だし……。そんなだったら、お金くれればいいのに~。正直そう思った。でも、おばあちゃんの気持ちは素直に嬉しかった。お礼の電話をかけた。
「もしもし、夢子ですけど」
「ああ、夢ちゃん、大学卒業おめでとう」
「ペンダント、届きました。ありがとう。大切に使わせてもらいます」
「幸せを呼ぶペンダントだから、普段からどんどん使わないとダメよ。あんたももう社会人なんだから、女の子は良縁をつかまないといけないからねえ」
古臭いこと言うなあ……。それに、「高価だから使えない」って気持ちを読まれて、釘を刺された感じ。
フクロウ君のつぶらな瞳を覗き込んだ。「僕に任せてみてよ」って言ってるのか? しかたない、普段から使うか。よく見りゃあ、それなりにかわいい顔してるし……。
フクロウ君をだいぶ使い込んだ。使い込むうちになんかいい感じになった。
元彼はフクロウ君を褒めたけど、デートで寄った雑貨カフェで、おしゃれで値段も割と高めのシマエナガのペンダントを買ってくれた。私は別に鳥マニアではないよ。別に嫌いでもないけど……。確かに、シマエナガのほうが女子ウケはいいけど、そういうこともチェック済みだった? とにかくその後、フクロウ君は出番を失ってしまった。
今彼は服装に無頓着。復活したフクロウ君のことも、何も言わなかった。でもデートで寄った鳥カフェで、焦った顔して聞いた。
「あれっ、ペンダント無くした?」
「注意書きにあったから外したよ」
「ああ、びっくりした」──安堵の笑顔。
もう、ほんとにぼうっとしてるなあ。さっき、ウェイトレスさんも、アクセサリー類は外すようにって、私たちに説明してくれたよ。せっかくあんなかわいいウェイトレスさんが説明してくれたのに、オウムのほうばっか見てて、聞いてなかったんでしょ?
いい仕事をしてるフクロウ君はデニムのポッケで休憩中。




