表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3BECAUSE  作者: Guru
18/131

第18話「相性①」


「ジンはとてもじゃねぇけど、許せねぇやつで…


むかつくやつだけどよ…今回の任務…

あいつと“約束”しちまってるわけで…


だから…だから…



橘善

俺はおまえを全力で倒す



覚悟しろよ…橘善!!志保!!」





BECAUSEスリービコーズ


第18話

 「相性」






「大悟…おまえの任務は…

俺の抹殺か?」



「そうだ それと…

水野志保の抹殺だ」



善は改めて大悟に確認を取った。



「そうか…


おまえは任務を守んなきゃならねぇから、俺たちと一緒になって、ジンを倒すことはできねぇんだよな…? 」



「そうなるな」



そして、少しにやけながら善は、もう一度大悟に聞いた。



「だったら…


おまえが俺達を倒すことができなかったら…

俺らがおまえに勝つことができたら、俺に協力してくれてもいいってことか?」



「それでは約束を破ったことになってしまうではないか…」



中々首を縦に振らない大悟。

それでも、あきらめの悪い善は折れない。



「任務失敗ってやつだ もうそれでいいだろ」



「もしそうなったら、俺は所詮そこまでの男ってわけか…」



根気負けしたのか、それとも嬉しかったのか…


大悟は自信満々に応えた。



「フン!まぁいいだろう!


万が一俺を倒すことができたらな!

その時はおまえに協力しよう」



「言ったな?今の……



“約束”だかんな!


よっしゃ!行くぞ!志保」



「えぇ!でも善…


あんた体は大丈夫なの!?

私達が来たときには、あんたもうボロボロだったじゃない」



「ボロボロ?なわけねぇだろ!

今けっこう長い間話してたからな…十分回復した」



「ちょっと…強がらないで」



「強がってなんかねぇさ!見てろよ!?


イフリート・ソード!!」



善は火の剣を作り出した。


それは先程の、しぼんでいたイフリート・ソードとは違い


いつもと同じ大きさ、いや、以前より大きさなイフリート・ソードを作り出していた。



(う、うそでしょ!?さっきまで善はボロボロで…)



同じリミテッドである志保同様、大悟も善の尋常ではないメンタルの回復力に驚かされる。



(こいつは…この短時間で、メンタルをここまで回復させたって言うのか!?


それどころか、この力は…今まで以上か!?)



そんな二人をよそに、レトインは…



(善…なるほどな


やはりこいつは、何か目的や目標があると、より燃えるタイプ


想像以上の力を発揮するみたいだな)



善のリミテッドとしての素質を見抜いていただけに、当たり前のように見ていた。



「体もだいぶ軽いぜ!これで大悟に勝てる!」



「甘くみない方がいいわよ」



すぐ調子に乗る善を、察したように志保が忠告した。

 


「えっ…?」



「リミテッドの力には


“相性”ってのがあってね…」



「相性!?」



「そう

例えば私の水の力と、あんたの火の力…


まぁ相性はどっちもどっちってとこかしら

水の力を上げれば、火は簡単に消えるし…


火の力を上げれば、水を蒸発させることだってできる」



「なるほど!」



「でね、私と大悟のリミテッドの相性は…」



善に説明している途中であったが


志保は突然、水の力を大悟へと放つ。



その攻撃は、大悟が手にしていた、土の力で生み出された大剣へと当たった。



「!!!」



すると、大悟の大剣は、水の力により溶けていき、形は崩れ落ちて泥へと姿を変えた。



「こ、これは…!!」



「私の能力は、大悟の土の力に相性はバツグンなの」



「チッ…」



「これが相性の力ってやつか!


だったら問題ないじゃねぇか!より楽に倒せ…」



「いえ…」



またもや楽観視する善に、志保は暗い表情を見せる。



「相性はいいはずなのに…


それにも関わらず、私は大悟に勝つことはできなかった」



「えっ!?」



「私がジョーカーにいたとき…

訓練として、大悟と何度も戦ったのよ…


けど、大悟には一度たりとも勝つことはできなかった…」



志保が気を落としながら語る中、レトインが冷静に分析する。



「無理もないだろうな

志保と大悟じゃ…


能力以前に、身体能力が違いすぎる

根本的なスペックで話にならん」



その分析に、善も納得してしまう。



(確かにな…あれだけ体格のいい男だ

女の志保が勝つことは難しい


俺もあいつには剣術だけでも、かないそうになかった…)



志保の顔つきを見て、大悟は更に自信満々に言った。



「そこまで分かってんなら、あきらめたらどうだ!?志保!!


俺には勝てやしないんだからよ!!」



「いえ…

私一人では、かなわなくても…


二人なら、善と協力すれば大悟にも勝てる!!」



「協力…?


へぇ…しばらく見ないうちに変わったみたいだな」



思わぬ志保のセリフに、善のテンションは上がる。



「それは言えてるぜ!

志保の…今のおまえの目…


輝いてるぜ!!

まえ戦った時とは違う」



「ちょっと…やめてよ

こんな時に…恥ずかしいったらありゃしない


けど、確かに私は変わった…

いつまでも変わらないのはあんたよ! 頑固者の大悟!!」



「そうかもな…でも…


俺はこのままでいい」



大悟はまた新たに大剣を作り出した。



「もう油断はしない…こっからは本気で行くぞ!!」



そして、大悟はスイッチを入れ、猛スピードで二人に向かって走り出した。



「く、来るっ…!!」



「あの剣をなんとかしなきゃ…


ウォーター!!」



志保は水の力を、大悟の大剣へめがけて放った。



「そんなもの…当たらなきゃ意味がねぇ!!」



しかし、大悟は志保の攻撃をなんなくかわした。



(厄介なのは善よりも志保の方…


先に志保を潰す!!)



まずは大悟は志保に狙いを定め、志保へ攻撃を仕掛けた。

だが、その攻撃は…



「!!!」



キン!!!


金属音がこだまする。



「おいおい!


俺よりまず女を狙うのかよ

あんた紳士じゃないね~」



善が志保をカバーし、大悟の大剣からの攻撃を防いでいた。



「紳士…?戦闘において、そんな要素は必要ない


勝つか負けるか 

生きるか死ぬかの世界だ


おまえはひっこんでろ!あとで料理してやる!」



「はっ!あいにくそうもいかねぇんだよ!

こっちはチームなもんでよ」



「助かったわ…善」



「あぁ!それより志保…


やっぱりあいつの大剣が邪魔だ なんとかしたい

おまえの水の力でどうにか…」



「えぇ 分かってる…

けど大悟もそれは頭に入ってる


私の攻撃が読まれてたら、かわされるだけ…」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ