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石版に隠された謎

翌日の放課後、部員が全員部室に集合し、石版の図をどう解釈するのか、それぞれの考えを話し合った。

連「この図は、地図だと思う。そしてこの地図には神居古潭の地形を表している。3つの印が書かれているが、このうち3つはサマイクル伝説によるニッネカムイの奇岩がある場所だ。義経はサマイクル伝説にも関係がある。つまり、この3つの印がヒントになっている。」

澪「なるほど。つじつまは合っているわ。じゃ、財宝はこの3つのうちのどこかにある?それとも、この3つに埋まっている?」

連「うーん・・・そこがわからない。」

澪「そこが知りたいのに、わからないじゃダメでしょ。」

エカテリーナ「まあまあ。連にしては、いい線行っていると思うわ。サマイクルは悪い神のニッネカムイと戦って、ニッネカムイは体がバラバラになって奇岩となったけど、それは頭、胴体、あごの全部で3つなの。どれも重要なものだわ。」

澪「じゃ、財宝は3つ全部に埋まっている?」

エカテリーナ「それは、奇岩の場所に行ってみないとわからない。」

部員達は、詩織を除いて奇岩の場所へ行くことにした。

まずは、最も行きやすい「魔神の頭」へ行くことにした。

魔神の頭は、春志内トンネルに続くニッネカムイ隧道の上にあった。

和馬「ほら、あそこに見えるだろう。じいちゃんに教えてもらったとおりだ。」

エカテリーナ「あれがニッネカムイね。そしてこれがニッネカムイ隧道と看板に書いてあるわ。わかりやすいわね。」

連「まあ、神居古潭は観光スポットだからね。」

部員達は全員ニッネカムイの岩にたどり着いた。

和馬「これが魔神の胴体か・・・」

連「迫力あるな・・・」

エカテリーナは「さっそく調べましょう。」と言い、部員達は岩をくまなく調べた。

しかし、目印らしいものは、何もみつからなかった。

部員全員が石の上を見つめた。

エカテリーナ「上には・・・ないよね?」

和馬「可能性としては高い。」

連は「よし、俺が岩の上を調べる。和馬、手を貸してくれ。」

と言って、和馬に肩車をしてもらい、連は石の上に飛び乗った。

しばらく石の上をうろうろしていたが、「おい、これなんだ?」と叫んだ。

エカテリーナ「なに?なにかあった?」

連「まっすぐな傷がある。矢印にも見える。」

澪「スマホのデジカメで撮ってみて!」

連はスマホを取り出し、数枚写真を撮った。

「ラインで送るぞ!」と連は叫んだ。

澪「これは、明らかに文様・・・矢印の文様だわ。」

エカテリーナ「そうね。定規で引いたようなまっすぐな線だし、自然にはつかないものね。」

和馬「連、その矢印どっちに向いている?」

連は立ち上がり、矢印の示す方向を見た。

連は「神居古潭トンネル方向だ。」と叫んだ。

一同、春市内トンネル方向を見た。

澪「連、地図の写真を送るから、地図と照らし合わせて、矢印がどこを示しているか正確に教えて。」

連「わかった。」

連はラインで送られてきた地図の画像を保存し、メモ帳アプリで開いて、直接手書きで矢印を書いた。

連「これで間違いない。地図に書き込んだから、データを送るぞ。」

連はラインで澪に矢印を書き込んだ地図データを送った。

澪「うん、上出来ね。」

連は石からジャンプして降りてきた。

連「よし、次は魔神の頭だ!行くぞ!」

エカテリーナ「あ、頭はあれよ。」

胴体の石のすぐ側に頭があった。

連「えっこんな近くにあるの・・・?」

頭の石は胴体より小さかったので、上側に刻まれた矢印はすぐわかった。

そして、渦の文様が刻まれていた。

連「この矢印、胴体と同じ神居古潭トンネル方向に向いているな。」

澪「うーん・・・なぜ同じ方向なのかしら。」

澪は石の周りを回り出した。

部員達も石を囲むように、もう一度見たが、みな首を傾げた。

連は「困ったときは、上にあがるしかない。」と言い、石の上に飛び乗った。

和馬が「別に石の上に登らなくても・・・」と困惑気味に言う。

煌が「煙となんだかは高いところが好きなんだってさ・・・」とあきれ顔で言った。

連「何かわかるかなと思ったけど、何にもわからない。」と言って、石から降りようとしたが、足を滑らせて、石から落ちてしまった。

エカテリーナ「ちょっと大丈夫?」

煌「そこで転ぶなんてお約束だぞ。面白い奴だな。体を張って笑いを取る奴は嫌いじゃないが。」

連「違うよ!その石の上側、矢印が刻まれた部分が斜めになっているんだよ。平らだと思っていたのに。」

石の上側は、矢印の部分を囲むように傾斜がついていた。矢印の前方が後方に対し上へ向かっている。

澪はそれを見て気づいた。「あ,傾斜か・・・なるほど。」

澪は矢印の刻まれている箇所を後ろから見た。

澪「この矢印は、高さを表しているわ。つまり、財宝の隠し場所は、平地ではなく、おそらく山の中・・・?」

エカテリーナ「ああ、そうか!財宝の隠し場所は平地とは限らないものね。高い山の上だったり、地下の洞窟なんてあるかも。」

ゆり「地下の洞窟?洞窟なんてあるの?行ってみたい?ダンジョンってやつだよね。」

和馬「残念だけど神居古潭にはないと思うよ。」

連「まあ、なにしろ俺のおかげだよな。」

煌「けがの功名ってこういうことを言うのか・・・」

エカテリーナ「じゃ、最後の魔神の顎へ行ってみよう!」

部員達は、隧道とは石狩川を挟んだ向こう岸にある「魔神の顎」の石に向かった。

しかし、石狩川は広くて深く、流れも速い。歩いて渡ることは不可能だった。

エカテリーナ「あの神居大橋まで行って、向こう岸に渡らないと行けないわね。」

連は「よし、結構歩くけど、ここまで来たら引き返せないよな。」と言い、他の部員達も頷いた。

そして神居大橋を渡り、駅舎を通って現在は閉鎖されている旧サイクリングロードを辿って行った。

連「ここは落石があったので、現在は封鎖されているのだけど、入っていいのかな。」

和馬「落石があった場所は、かなり先で魔神の顎は、ずっと手前だよ。立ち入り禁止はバリケードがあって、監視員も巡回しているから入れないのさ。」

連「詳しいな。」

和馬「実はこの前、山菜を取るために入ろうとして怒られた・・・」

連「あ、そう・・・」

部員達の間で、ちょっと気まずい雰囲気となったが、そのまま旧サイクリングロードを歩いていった。

和馬「この旧サイクリングロード、雑草は多いけど、まだまだ自転車で走れそうだな。」

煌「ああ、もったいないよな。気持ちよさそうなサイクリングロードなのに。」

途中、子狐や蛇などに遭遇しながらも、魔神の顎に到着した。

連「よし、そんなに高い石ではないな。やっぱり上に目印はあるよな。」

エカテリーナ「多分ね。連、頼んだわよ。」

連は石の上によじ登った。

矢印はすぐ見つかった。

連は少し残念そうに「あったぞ。やっぱり矢印は神居古潭トンネルを向いている。」と言った。

和馬は、がっかりしたように「またかよ。」と言ってため息をついた。

ゆりは「この矢印、ヒントのなるのかな?」と困惑している。

しかし、澪は表情を変えずに、静かに言った。「なる。これで財宝の隠し場所がわかるわ。詩織ならわかるはず。」

澪は、すぐに部室で待機している詩織に、地図の画像に矢印を書き込んだ画像を送った。

詩織は送られてきた地図の画像を見て、手元の資料と見比べた。

詩織「なるほど、財宝の隠し場所がわかったわ。思ったよりもわかりやすかったわ。財宝を隠した人は、親切な人だったかもね。」とつぶやいて、澪にラインを送った。

澪「詩織から返事が来たわ。場所がわかったって。」

部員たちは歓喜の声を上げた。

澪は連に「矢印の他に何か文様はない?」と尋ねた。

連は「うーん・・・この丸いのが文様か?写真を送るよ。」と言って澪にラインで写真を送った。

澪「ああ、これは文様ね。こんな正確な円は自然についたものではないわ。」

エカテリーナ「これで、材料はすべて揃ったみたいね。」

澪「うん、後は財宝の隠し場所に行って、財宝を見つけるだけ。」

部員達は、興奮を抑えきれなかったが、その日はこれで活動を終え、それぞれ帰宅した。


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