リベンジマッチのようですよ?
「それじゃあ、この前と同じように頼むぞ。エリン、ウィズ」
「ん、わかってる」
「もちろん、大丈夫ですよ」
そう頼んだあと、俺が受け止めた攻撃によって辺りに乾いた音が響き渡る。
当たりが弱かったのか、そこまで怯んでないようだな。
まぁ、関係ないか。
時間さえ稼げれば充分だ。
「「天より舞い来る風の精達よ。我が魔力を糧に彼の敵を切り刻め『ウィンドトルネード』!」」
二人の詠唱により発現するのは、風の刃を纏った竜巻だ。
しかも、前に見たウィンドトルネードより一段と激しい轟音が聞こえてくるほど威力が高い。
その魔法は魔物の風の鎧を引き剥がし、それでもなお勢いは止まらない。
魔物は竜巻の纏った風の刃に切り裂かれ続け、竜巻が通り過ぎる頃には既に地に転がされていた。
「はぁ……二人とも宣言通りだな」
「この前は、相打ちだったから、リベンジ」
今、俺たちは『激風の縦穴』に潜っていて、さっきの相手は十階層フロアボスのブラストバイコーンだ。
エリンとウィズが前の反省を活かして、魔法の威力を上げたおかげで魔法だけでブラストバイコーンを倒してしまった。
「もう、私たちの出番がないじゃない」
「本当に近接戦に優しくないダンジョンですね…」
そうやって愚痴を漏らしながらブラストバイコーンの使える素材を回収し、次の階層へ進む。
この先の階層は前と同じように俺の作り出せる透明な壁を張り、スプレッドラフレシアの粉塵を防ぎながら移動する。
この前と同じようにそれなりの強度は持っているため、多くの魔物が俺たちに攻撃することすら出来ず、逃げていく。
たまに破られたとしても、攻撃後の隙をリンとエチカに狩られ、まともな攻撃が出来ない。
……うん。すごく安全だな。
そうして、簡単に十五階層前の階段まで辿り着く。
「さて、あの魔物、ワンダーラビットをどうするか」
この先の十五階層の魔物の名前はギルドに報告した所、新たに発見された魔物のようで『ワンダーラビット』と名前がつけられた。
「この前と同じじゃダメなの?」
「ドラゴフレイムは、消費が激しい。先に行くのが、厳しくなる」
「この先に進むのにもウィズの魔法は必要不可欠だと思いますから、それはダメですね」
「私がやります!」
そんな手詰まりの状況で手を上げたのはエチカだ。
「ワンダーラビットの初速なら捉えられますから、シンが攻撃を止めた隙になら当てられると思います」
確かに初速は少し遅いが、それでも速いことには変わりない。
それでも当てられる自信があるのか。
エチカの身体能力なら有りうるか。
「わかった、エチカに任せる。私はエチカを信じるよ。シンもそれで平気?」
「あぁ、大丈夫だ。受け止めるのは得意だからな」




