表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/126

エチカは失望しているようですよ?


目が覚めると私はアリアさんの治療魔法で傷を直してもらっている最中だった。

よく見ると周りには未だ気を失ったままだが、傷が直されたリンとエリンが寝かされていた。


「あ、気がついた?もうすぐ終わるから動かないでね?」


治癒魔法には二つの種類がある。

一つは自己回復力?という人が本来持っている能力のスペックを底上げし、傷口を埋める治癒魔法。

もう一つは術者の魔力を対象の生命力に変換して生きる力そのものを回復させる治癒魔法がある。

これら二つにはメリットとデメリットがある。

自己回復力を上げる方は回復がとても早く、大体は見た目は瞬間で元に戻るが、あくまで対象の身体機能を使うため、生命力を消費して逆に弱ってしまうことがある。

魔力を変換する方は見た目も生命力も回復するが、回復する速度がゆっくりになるというものだ。

だから一流の治癒魔法士はこの二つの治癒を組み合わせて扱うのだ。


おそらく私が今受けているのは魔力を変換してもらっている方だろう。


だけど、なんでこんな傷を負ったんだっけ……


「…ってギリーは!?ギリーはどうしたんですか!?」


「落ち着いてください。ギリーはシンが相手してますよ。それに魔人が出ましたが、それもシンが相手をしています」


少し耳を澄ますと私たちが寝かされている部屋から少し離れた部屋から戦闘音、というか殴り合うような乾いた音が聞こえる。


「シンは盾を持ってなかったですよね?早く、援護に……」


「そんな傷が治ったばかりのあなたで役に立つと思う?」


……痛いところを突かれた。

そっか、私はやっぱり足でまといなんだ。

シンのような高みに未だ手は届かない……


「ただ……あなただけじゃないなら少しは役に立つかも知れませんね」


え?どういう……


「エチカ、私達も行くわよ」


ふと声のする方にはリンが上体を起こして真剣な目でこちらを見ていた。


「それに私とウィズも行きますよ。そのためにウィズにはシンの盾を取りに戻ってもらってますし」


「……分かりました」


本来なら喜ぶべきそれを私は素直に喜ぶことが出来なかった。



私はシンに憧れて冒険者になった。

初めはシンと同じように盾を使ったタンクをやりたかったが体格のせいで諦めざるを得なかった。

ならばと次に剣士に挑戦したが、それも当時気を上手く扱えなかった私には攻撃力が足りず出来なかった。

そして、魔法の才能もない私はなし崩し的にスカウトとして鍛錬を始めた。


それでも初めは良かったのだ。

いつかはシンに追いつける。

シンに認められるほど一流の冒険者になると考えていれば役割なんで何でもよかった。


しかし私はある日、残念な事実に気が付いて己に失望した。

私はスカウトの能力が特別高い訳でもない。

戦闘でもそこまで役に立つ訳でもない。


このパーティーで私は足手纏いなのだ……と


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ