閑話 勇者は異世界人のようですよ?
突然だが、あなたは異世界召喚というものを信じるだろうか。
俺は信じる。
なぜなら今、俺は異世界に来ているからだ。
俺の名前は鎌瀬 剣。
一週間ほど前までは普通に高校生だったんだが、授業を受けている最中に周りが突然光ったと思ったら、俺は神殿のような場所にいた。
俺が動揺してパニックを起こしているとそのまま王城らしき場所に連れられ、俺がこの世界に呼ばれた勇者なのだという説明を受けた。
俺はその説明を聞いていると、とことんこの世界はゲームの中の世界のように感じた。
しかし、この世界の勇者とは魔王と戦わないといけない事を除いては元の世界ではモテたことのない俺にとって都合の良すぎるものだった。
勇者がパーティーメンバーを決め、また勇者パーティーに入っていればものすごい速さで強くなるため、どんな冒険者も勇者パーティーに入りたがるだろう、とのことだ。
つまり、どんな冒険者も選び放題!
ゲームやアニメでありがちな優しく綺麗な神官さんもちょっぴりセクシーな魔法使いのお姉さんも、どんな人でも大丈夫。
もし、あまり強くなくても勇者パーティーにさえ入れば強くなるから問題ない!
それに勇者の印としてなんか右の手の甲に勇者の紋章があり、これを見せれば偽物と疑われることもない!
いやー まさに勇者万歳、生きててよかった。
そして、まずは王様の勧めで初心者冒険者が集まる街、フレスベルグに移動していたんだが、町に着く直前に馬車が止まった。
俺はまた魔物か、と思い馬車を降りる。
ここまでの道のりで現れた魔物は騎士の助けを借りながら何体か狩っているため、正直もう怖くない。
というか、魔物が弱すぎるのだ。
俺が適当に走り寄って王様から預かった聖剣を縦に振り下ろすだけで大抵の敵は倒せるからな。
馬車を降りた俺の目の前に広がる光景、いや少し違う。
目の前にいる三人の人物は俺の求めていたような人物たちだ。
金色の髪に出るとこは出ていて引っ込むところは引っ込んでいる、神官のような女性。
水色の髪を三つ編み状に二つ下げ、先ほどの女性と違い華奢なスタイルの魔法使いっぽい少女。
薄いピンクのような色の髪を左後ろの高い位置でまとめ、引き締まった体つきだが女の子らしい感じは残している剣士?いや盾職?みたいな女性。
そして、一番大事なこと…みんなかわいい!!
まぁ、なんか後ろに不貞腐れた様子の赤髪のイケメンがいるのが少し残念だが…
なんでこんなところにこんな美女たちが?と思っているとどうやら勇者の俺が魔人に狙われているから、その護衛らしい。
この四人はSランクのパーティーらしい。
まさに才色兼備ってやつか。
まぁ、アリア、ウィズ、ルミナスっていうらしいがこの美女三人は俺のパーティーに入れよう。
うん、余計な赤髪は入れない。
どうせならハーレムみたいにしたいしね。
俺は馬車の中でできるだけ自然に、ちょっとカッコつけながらアリアとウィズに話を聞いてみたが、今、あの赤髪と喧嘩中らしいのだ。
天は俺に味方しているな。
元々低い失敗確率をさらに下げるようなことがあるなんて、これはもう誘えってことでいいんだよな。
「アリアさんにウィズさん、それにルミナ――――「大変です!町が!」」
丁度誘おうと思っていた時に邪魔が入った。
町が魔人の手による魔物に襲われているらしい。
その魔物たちは俺らの北方向の逆側から来た、と報告された瞬間、アリアとウィズが焦り始めた。
「シンは無事なんですか!?」
「わかりません。しかし、先ほどからなにかが壁に当たるような鈍い音が響いたと思ったら戦闘音が聞こえてきましたのでまだ無事のはずですが、数が多いので…」
その言葉にあからさまに安心したような表情を浮かべたアリアは御者をしていた騎士に急ぐようにお願いした。
おいおい、誰だよ、そのシンってやつは。
アリアもウィズも反応したってことはパーティーメンバーか?
いや、それならここに居ないのはおかしいよな?
じゃあ、この二人の男ってことか?
なんだよ、そのうらやましいやつ!
だが、まぁ、後でアリアもウィズもルミナスも俺のパーティーに入るんだし、そこら辺のことは後で何とかすればいいか。
さて、目指すは美女ハーレムだ!




