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新たな街についたようですよ?


 次の日の朝、日が出始めたころ俺は既に馬車に乗っていた。


運よく夜のうちに隣の町、フレスベルグに行く商人の馬車に護衛として乗り込むことができたのだ。


いくら攻撃が得意でない大盾使いだとしてもSランク冒険者だ。

人里近くにいる魔物は比較的弱いため、一応腰に差している剣や懐の短刀だけでも処理できるし、何なら大盾で突撃するだけでも撃退できる。


また、商人の方も俺のことを知っていたみたいでスムーズに乗り込むことができた。



俺は馬車の揺れる心地よいリズムの中、冒険者を続けるためにパーティメンバーが必要だと考えていた。

しかし、自分は一度追放された身。

簡単にパーティに入れてくれる人がいるとは思えなかった。


それはなぜかというと、パーティから追放されるということは何か問題行動を犯したり、よっぽど役に立たないと判断されない限り、ありえないことなのだ。


まぁ、俺の場合は実力不足なわけだが……周りはそうはとってくれないだろう。


「まぁ、なるようになるしかないか」


小さく溜息を吐きながらそうつぶやいた俺はまどろみに落ちていった。



そうして4日たち、俺はフレスベルグに着いていた。

道中、特に危険な魔物と会うこともなく平和な移動だった。


俺はのせてくれた商人にお礼を言い、早速、冒険者ギルドに向かった。


フレスベルグの冒険者ギルドは前の街、アールバーグより少々小さいものだったが、中から聞こえてくる騒がしい声はアールバーグのそれにも負けないくらいうるさかった。


俺は慣れた手つきでギルドのドアを開けると、周囲の目線がこちらに飛んでくると同時に小声で何か言ってるのが聞こえるが特に気にすることなく受付カウンターのほうに向かう。


ギルドの内装は、どの町も基本変わらないらしい。


見慣れた光景を横目に、受付嬢に話しかけた。


「パーティーメンバーを募集しているんだが……」


パーティーの募集はギルドを通すのが基本だ。

ランクや扱う武器などの情報から空いているパーティを紹介してくれたりするためだ。

自分で探すこともできなくはないが、ギルドで探してもらうほうが数段早い。


「はい、メンバーの募集ですね。失礼ながらランクや身元の確認のため、冒険者カードの方を見せていただけますか?」


俺は、胸元からカードをとりだり受付嬢に手渡す。


「Sランク!……失礼いたしました。しかしSランク冒険者様ともなるとレベルにあったパーティーメンバーを探すのは少々厳しいと思われますが……」


受付嬢は驚き、声をあげてしまったが、すぐに持ち直し、俺もわかっていたことを告げた。

そのうえ俺は追放された身だ、さらに厳しいことになるだろう。


「俺は、前のパーティのやつらに実力不足とのことで追放をくらってな。そんな奴でもいいってやつらだけにしてくれ。変に隠してもいいことはないしな」


「追放……ですか?……まぁ、事情は分かりました。1週間ほどお時間をいただくことになると思いますが大丈夫ですか?」


受付嬢は、一瞬不思議そうな顔をしたが納得したようで、俺も時間としては最低でもそれくらいかかると思っていたため、頷いた。


「では、また次に来るときはまた私のカウンターにいらしてください。申し遅れましたが、私の名前は、シエラと申します」


「あぁ、よろしく」


パーティの募集を頼んだ俺は、クエストに行くことも考えたが、ソロではどうせ大したものは受けられない。多少の貯蓄はあるので、宿を探しに街に出ることにしたのだった。


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