アリアとウィズは疑い始めたようですよ?
少し遅れました。すみません.
……シンがパーティーに戻ってこなかった。
もう既に私たちの他にパーティーを見つけて、私たちのパーティーに戻る気はないって……
私たちは既に宿に戻ってそれぞれの部屋に分かれていた。
「アリア、元気出して。まだチャンスはある。この街にいる間にシンを説得すればいい」
いつの間にか私の部屋に来ていたウィズに慰められる。
「……でもギリーは明日にでもアールバーグに戻る気みたいですよ」
「大丈夫、たぶん明日には戻れない」
「なんでですか?」
アリアも明日までシンともう一度話して何とか連れ戻したいと思っていたが、あの様子ではたぶん無理だろう。
せめて数日取れればとも思わなくもないがそれもかなわないだろうと思っていたが、ウィズにはギリーを足止めする策があるらしい。
「魔法で、シンとギルドマスターの会話、聞いた」
「そんなことしちゃだめじゃないですか……。でもなんでそれで戻れないと?」
「この街に魔人来る。守りが足りない、らしい」
さっきの騒ぎで私たちがシンの元パーティーでSランク冒険者っていうのが知られた。
私たちがこの街にいることがギルドマスターに伝われば、何としてでもこの街に留めようとしてくるはず。
「魔人とは…穏やかではないですが、おかげで街に留まれそうですね」
ウィズはその言葉にうなずく。
「それにおかしな点もあった」
「あの子…リンちゃんでしたか。私たちがシンを追い出したって」
私たちはギリーからシンが自分でパーティーを抜けたって聞いている。
しかし、あちらの話では私たちがパーティーから追放したことになっているのだとしたら…
「もしかしたら、ギリーが嘘ついてる…かも?」
そもそも今回フレスベルグに来れたのは、シンが抜けた後に高難度ダンジョンに潜った時、これまでのようにうまくいかず敗走することになったためだ。
それでギリーにシンがパーティーを組んでいた時は無理強いしないという条件でシンを探し始めたからだ。
シンが冒険者をやめるとは思えなかったため、何とかギルド職員に居場所を教えてもらったのだ。
でも、もしギリーがシンを私たちに内緒で追い出したのだとしたら?
「……ギリーがシンを追い出す理由がありません」
「理由なら、ある。アリアが理由。もしかしたら私も、かもしれないけど」
そう、何となくは気づいていたのだ。
私たちがシンに特別な感情を抱いていることにギリーがよい感情を持っていないことは…
「とりあえず、明日シンに話を聞きましょう」
いくらなんでもそんな私情でシンを追い出すなんて信じたくなかった私は考えることを放棄し、今日は眠りにつくことにした。




