【吐き気】
半信半疑で頷いた3人。 いのりは廊下の真ん中、壁の花の模様をトントンと2回叩いた。
そうすると驚くことに、真っ平らだった壁がみるみるデコボコに変化。 暁には綺麗な正方形の形がくりぬかれていた。
「呼吸......しちゃダメよ!!」
もう一回強調して言った。
いのりから入った正方形のくぼみ。 次々に入っていく。 マキは誰もみていないか確かめてから入り込んだ。
いのりに言われたとおり呼吸を中断する。 中は何も見えない暗闇。 足場すら見えないため 一歩一歩歩くたびに心拍数が上がる。
きっちり数えた10秒間を過ぎたあと、恐る恐る呼吸をし始める。
その瞬間、真っ暗だったのが 明るくなった。
目の前には目を丸くする 秋山と犬井の姿。 その後方にはニコリと笑ういのり。
「侵入者を中に入れないようにするトラップよ。 少しでも吸ったら必ずここで死んでしまうの。 ま、強力な毒ガスね」
スラスラと恐ろしいことを言っているのが 分からないのか、この人は。
「さ、早くコトを済ませましょ。 こっちよ」
ズンズンと歩き出す。
周りにはみたコトもない複雑な機械ばかり。 ところどころにいる生き物の剥製がなんとも言いづらい。
ボウボウッ という音が耐えない中、少しでも早くしようと早足で歩く4人
しばらく歩くと 一つの扉が現れた。 迷わずいのりは 扉のロックを解除した。
ガチャ......という不気味な音の中をまた歩く。
誰も疑いもなしに歩き続ける道は、次第にまた暗くなっていく。
だんだんとおかしく思った秋山。
「......嫌な魔力が感じる。 いのり、本当にこっちなんだよな?」
聞き慣れない秋山の低い声。 声につられて少し戸惑ったいのり
「研究所はこっちのはず......なの」
少し焦りだした。 いのりにも感じたのだろう、吐き気がする程の気味が悪い魔力を
「......おかしいわ」
完全に確信した。 真っ暗な空間。 だんだんと正方形型に床が青く光り出す。
その瞬間。
「っ!!!!!!?」
「マキちゃん!!!!」
足が使い物にならなくなったマキ。 ガタッと勢いよく崩れ落ちた。
青ざめた顔をして 必死に口を開く
「......ここにいてはダメだ」
ハァハァと だんだん荒くなる息。 そのマキを見ていのりも青ざめた。
「ダメ、ダメよ!! マキさん、今すぐテレポートで犬井くんとここを離れなさい」




