目次 次へ 1/5 落雷・1 夕刻から夜半にかけて首都圏では雷鳴が続き、場所によっては激しい雨が降った。観測記録上も特筆すべき大雨だった。 午後十時ごろ、すさまじい雷鳴が響き渡り、稲妻が一軒の民家を直撃した。 目の前すら見づらくなるほどのどしゃ降りの中、消防車の到着は遅れ、鎮火までにはかなりの時間を要した。 一階台所部分を中心に半焼した住宅からは二体の遺体が発見される。当初はこの家にすむ六十二歳の主婦と三十五歳の息子ではないかと思われた。