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第1話 がんばるぞー!!

 その昔、光と闇は手を取り合い、世界を崩壊させる厄災を封じました。

 けれども、厄災が世界に残した傷はあまりに深く、人々は神々に倣い、互いに手を取り合って生きるようになりました。

 今も世界には、さまざまな人々が暮らしています。

 姿かたちが違っていても、助け合い、支え合って生きているのです。

 いつの日か厄災が再び目覚めようとも、みんなで力を合わせれば、きっと恐れることはありません……。



「ここがコノエ様の御屋敷ですね!」


 僕はかなり独特な描かれ方の地図を片手に、ようやく到着した目的地の御屋敷を見上げていた。

 今日からここが僕の仕事場。

 見ていて下さいお父さん!お姉ちゃん!僕もサルトリィバ家の騎士として立派にお役目を果たしてみせます!


「がんばるぞー!」

「……あの、さっきから玄関先で何をしてるんですか?」

「ひゃわあ!!?」


 突然後ろから声をかけられてびっくりしてしまい、背中の翼が跳ね上がってしまう。


 いけない、いけない……また羽が抜けちゃうよ……。

 

 後ろを振り返ると、赤い髪の女の子が両手に食料が詰まった袋を持って迷惑そうに僕を見ていた。


「とりあえず、どいて頂けますか?中に入りたいので」

「あ、はい。申し訳ありません……」


 扉の前からどいて、道を開ける。

 よく見ると、頭には綺麗な白い角と露出した肩の辺りに大きめの傷跡が目についた。


「貴女がウィステリア様ですか?」

「……そうですが、そういう貴女は誰なんです?」


 やっぱりそうだった。

 事前に聞いていた通りだ。


「失礼致しました!僕は王室特務隊より派遣されて来ました、ラヴィエス・サルトリィバです!今日からどうぞよろしくお願い致します!」


 そう言って敬礼をする。

 相手は救国の英雄ガゼルの奥様で帝国のオドラトゥス家当主の妹様。

 失礼があってはいけない。


「灰色の翼……貴女が……ごめんなさい、少し待ってくださいね──アルギラさーん!!」


 僕が誰かわかったからか、先程まで警戒していたのが和やかな空気に変わった。

 ウィステリア様は扉を開けて、大声でアルギラさんを呼ぶ。

 アルギラさん……。

 憧れの先輩で僕の目指すべき、立派な騎士。

 いや……退役されたので元騎士だけど……。


「すぐに来ると思うので、どうぞ中へ」

「はい!失礼いたします!」


 促され、御屋敷に足を踏み入れる。

 広めのホールは掃除が行き届いているが、調度品などは最低限で簡素な印象を受ける。

 僕の家だと、なんかもっと壺とか甲冑とかが並べられて、少し威圧感すら感じるのに。


「来たか。ここまでご苦労だったな」

「は!お久しぶりです!」

「敬礼はいい。私はもう王国の騎士ではないのだから」


 アルギラさんが二階の奥から現れ、敬礼はいらないと微笑みながら僕の元までやって来てくれた。


「私の代わりに苦労をかけるな……」

「いえそんな、苦労だなんて思ってませんよ!」

「ふふっ……そうか。今日からよろしく頼む」

「はい!よろしくお願い致します!」


 今日から僕は、"特務派遣騎士"として、この家の皆様のお役に立ってみせます!

 そして──立派な一人前のサルトリィバ家の騎士になってみせるのです!がんばるぞー!!

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