ニクン国 国王陛下との話し合い2
国王「ぷっくくくくっ、そんなに怒るな」
こらえきれないといった感じで笑う国王
「怒ってません。気分がよくないだけです」
もっぐもぐと茶菓子を食べて気を紛らわせる
今食べているのは、おかわりだ
最初に出て来たものは全て食べつくしたので、メイドさんが追加を出してくれた
ありがたく食べている、美味しい
ダスティン「ああ、陛下のせいですよ」
国王「いや、悪かった。すぐにわかったというのは立場的にも良くなくてな・・・」
「はい、そうですね」
ぶっきらぼうに答える
答えはわかっていたのに、わざわざ試すような話合いをしたのだ
これぐらいの態度はさせて欲しい
国王「謝罪の代わりに、国中にふれを出そう。『獣人、亜人を差別する事なかれ』とな。違法奴隷の事もあるしな、現在所有している奴隷の届け出を義務づけよう。違法奴隷の所持は全財産の接収とする」
「え、そこまでしていいんですか?」
ダスティン「思い切りましたね」
もっと緩いかと思っていた
これでは他国の法律と変わらない
国王「そなたの行動力には驚かされた。いつかはしたいと思っていたのだ、良いタイミングを作ってもらったと感謝している。私も現行法が良いと思っていたわけではないが、理由もなく教会を追い出したり、法改正をするのは、多方面からの風当りが強くなるから出来なかったのだ、許せ」
「・・・・言っている事はわかります。最初から突っぱねていれば、ここまで悩む必要は無かったとは思ってしまいますけどね」
一度向こうの要求を受け入れてしまったから、ここまでこじれたのだ
『うちはそういう扱いはしない』と言っていればこうはならなかった
国王「そなたの言う通りだな・・・・父上も事なかれ主義というか・・・・強気に出て来る教皇国のいう事は聞き流す事に徹していたからな・・・」
先代はそういう方針だったのか
まあ、隣があの感じだとまともに相手するのは疲れるだろうし
何かと好戦的に出て来そうではある
宗教国家とは思えないよね、本当
「・・・これからはあちらの国以外と仲良くして行きましょう。どうしても協力出来ない所はあるものです」
国王「そうだな・・・・戦争をふっかけらた時は助けてもらおう」
「はい・・・・所で、もし教皇国との間に山脈が出来たらどう思いますか?」
国王「は?」
ダスティン「山脈とは・・・・アシタスト国と皇国の境になっている山脈か?」
「はい、ああいう障壁があれば戦争をふっかけようにも難しくないですか?」
国王「ま、まあ・・・そうなるな・・・国交も途絶えるだろうが・・・」
「戦争するよりはいいかなって」
国王「確かにそうだが・・・・そなたは神の力を借りれるという事か?」
真剣な顔でそう聞かれた
「ふふふ、神の力は借りれませんが、自力で作るのは有りかなと思っています」
国王「自力・・・」
ダスティン「土魔法が得意とは聞いているが・・・・道路を作るのとはわけが違うぞ?」
「そうですね、でも成形する必要がないので、ただ高い山を作るのならそれほど難しくないと思ってて・・・とにかく魔力をぶち込めば山一つくらいは作れる気がしてます」
「「・・・・・」」
2人が完全に停止してしまった
地形が変わるのが嫌かな?
でもなー戦争するくらいなら、山を作ってしまった方が良い気がしてる
「山がダメなら、谷でも・・・・・」
国王「待て待て待て、・・・・・落ち着け」
ダスティン「そうだ、落ち着いてくれ」
「え?どっちも駄目ですか?お洒落な壁でも?」
万里の長城みたいな?
ベルリンの壁みたいな?
国王「違う、違う、そうじゃない・・・・」
ダスティン「それは最終手段だな・・・・」
国王「うんうん、谷は困るかもな・・・大陸が割れそうだ・・・」
「そうです、割っちゃった方が魔力消費が少ないかも?」
国王「落ち着いてくれ、大陸を割らないでくれ」
「え?ダメでしたか?」
ダスティン「とんでもないな・・・」
「最終手段ですよ?戦争するくらいならって話で・・・・」
今すぐやるとは言っていない
国王「そうだな、最終手段・・・・やる前には相談してくれな?」
「はい、もちろんです。・・・・・たぶん」
切羽詰まっていたら、もうやっちゃうかも
今から戦争だー、って時に聞きに行く時間があるとは思えない
国王「・・・・不安だな・・・・とにかくやるにしても、山の方がいいな」
ダスティン「そうですね、谷だと橋をかけられるかも」
「そっか、そうですね」
納得だ
国王「とにかく、そなたの話は聞いた。さっき言った通り法改正出来るように動く。多少時間はかかるだろうが、引き続き国を盛り上げて欲しいと思っている」
「はい、お店は続けます。私は不在が多くなるでしょうが」
国王「そうなのか?どこに行くのだ」
「教皇国ですね、それと皇国に」
国王「皇国?」
「実は・・・・」
かくかくしかじか、これからやろうとしている事を話す
教皇国を瓦解させたい
その後は皇国に吸収してもらう交渉をしにいく
一部の土地はニクン国にも管理してもらうかもしれない
その辺の交渉は2国間でして欲しい事などを説明した
国王「内部でクーデターを起こして乗っ取るという事か?」
「まあ、そうなりますかね、トップを叩くつもりです。皇国に任せるのは、完全に他国に吸収してもらわないと国民性は変わらないと思っているからです。ニクン国は教皇国よりの考えの人は多いですから」
国王「・・・・もっともだな。しかし乗っ取りが可能か?」
「それはやってみないとわかりません。私だけでは難しいので、皇国に助力を求めに行く予定です。返答次第では一人で行きますが、トップを潰した後にこちらに面倒を見てもらう事になるかも知れません」
国王「それは・・・・まあ、やってはみるが・・・さすがに今の国土が倍になってすぐに統治は無理がある」
「ですよね、だから皇国とこちらの両方に頼みたいんですよね。どうなるかはわかりませんが」
国王「わかった、そなたのやろうとしている事は応援しているし、大陸を守る事にも繋がるのだろう。助力出来る所はしていこう」
「ありがとうございます!」
やっと欲しい言葉が聞けた
国王「しかし・・・・破天荒というか、規格外というか、何と言うか・・・」
ダスティン「そこがルラの良い所なので」
国王「まあ、そういう事か・・・・」
2人で納得したように頷いている
なんだこれ?
多少納得いかない所もあるけど、概ね良い話合いが出来た
王城から公爵邸まで馬車で移動する
ダスティン「面白い話合いだったな」
「面白かったですかー?何か遊ばれた感じがしてちょっと嫌でした」
素直な感想だ
ダスティン「ははは、陛下にも立場があるからな、許してくれ」
「まあ、そうなんですけど、気持ちは別というか」
ダスティン「そうだな、ルラには非はないしな」
そうなのだ、私がした悪い事は奴隷を攫った事くらいで
これは、目には目を、違法には違法をって事だ
違法に合法で勝つのは難しいのだ
公爵邸で着替えさせてもらい、いつもの服に着替えてから帰る
ついでに町中でお買い物をしてから、外に出る事にした
屋台で大量のご飯を買って、今日はコレを夜ごはんとする
つまみ食いした、肉串は美味しかった
町の外に出て、野営場所に向かうとガロルド達がお昼寝していた
ガロルド「お、おかえり。早かったな」
「ただいまー、疲れたー」
ガロルドの横に寝転がり、深呼吸すると
大地の香りに癒された
ガロルド「お疲れ、どうだったんだ?」
「んーーーーーー、ちょっとからかわれた!」
ガロルド「からかわれた?」
「うん、最初から答えは決まってたけど、色々と質問攻めされてね。試されてたって感じ」
ガロルド「何だそれは・・・・最初から変えるつもりだったって事か?」
「そーいう事。法改正も決めてたし、いつかはやろうとしてたって、きっかけをくれて感謝するーみたいな感じだった」
ガロルド「なんかちょっと腹が立つな・・・」
「だよねー、良い結果なんだけど、良いように利用されてたね。まあ仕方ないんだけど」
ガロルド「そうなんだろうが・・・やり方が気に食わない」
「うんうん、全部上手く行ったんだけどね、国王陛下はすぐに『はい』とは言えないんだって!」
ガロルド「その辺は俺にはわからんな」
「私はわかるけど、わかりたくないな!3人だけで話し合いだったんだから最初から『ありがとう、気持ちは一緒だ』で良かった気がするけどねー。王族のプライドってやつだね」
ガロルド「どこかで仕返しするか?」
「うーん、国王に仕返しって難しいよね・・・・ちょっと考えてみるけど・・・地味に嫌がる事とかしてやりたいな・・・・」
ガロルド「ふふふ、地味に嫌な事か・・・面白そうだな」
「だよね、王妃様とお子さんだけに何か送ろうかな、陛下だけなし!」
ガロルド「ふっ、それいいな。地味に嫌だな」
「ふっふっふー、何か良い事思いついたらやーろおっと」
今回の事で地味にイラっとしたので、地味にイラっとする事をしようと思う
不敬にならない程度に
みてろよー
ありがとござした!




