『黒猫亭』と野営ご飯
とにかく歩いた
追いかけて来ない事にほっとした
完全に気配を感じ無くなって、止まると
『黒猫亭』の看板が目に入った
「あ、あそこか」
バルトラさんが言っていたお店
どこかに行って、また会うのが怖いのでお店に入る事にした
中に入ると、お昼にはまだ早いのでお客さんはまばらだ
「いらっしゃい」
「あの、あとで連れが2人来るんですけど」
「ああ、いいよ。先に入っとくかい?」
「いいんですか?」
「好きな所に座っていいよ」
サバサバした感じの女性だけど、笑顔が素敵だ
端の丸いテーブルに座って、メニューをみて見る
「あ、パスタメニューもある」
3種類のパスタが書いてある、他にもシチューやお肉のメニューが多い
「なるほど、冒険者御用達って感じかな」
どれもガッツリ系のメニューに見える
「注文するかい?」
さっきのお姉さんが聞きに来てくれた
「あの、従魔がいるんですけどこの辺であげてもいいですか?」
「従魔?見えないけど・・・小さい従魔なら邪魔にならないようにしてくれるなら大丈夫だよ」
「ここにいるんです。ちゃんと邪魔にならないように気をつけますね」
抱っこ紐の中で寝ているアンディーをチラッと見せる
「きゃああっ、かわいいっ」
寝ているアンディーを見て悶えているお姉さん
わかりますよー、寝ているアンディーはかわいい、とてつもなく
「起きたら床で食べさせるんで」
「そんなに可愛い子なら大歓迎だね・・・・・あとでちょっとだけ撫でさせてもらえないかい?」
「あー、起きた時にアンディーに聞いてみます」
「アンディーっていうんだね、わかったよ。で?注文はどうしようか」
「あ、パスッタ料理をおすすめの物と、何か甘い物とかあったりしませんか?」
「甘いものはひとつだけだね、パンケーキの蜂蜜がけ・・・・でもそれなりの値段するよ?」
「いいですね、じゃあそのパンケーキも・・・・後は何かお肉系のおすすめをお願いします」
「はい、了解!少々お待ちをー」
元気よく注文を取って、厨房へ行った
「ふう」
甘いものが食べたくなってしまった
午後は買い物どうしよっかな・・・・また会ったら嫌だな・・・・困る
ご飯を食べてから考えよう
でも、こういうご飯屋さんで甘いものがあるとは思わなかったなー
蜂蜜なんて高級品なのに・・・・
「はい、お待ちー。先にパンケーキだよー」
お皿を持って来てくれたお姉さん
お皿には2枚の丸いパンケーキが乗っていて、蜂蜜がかかっていた
ナイフとフォークを持って、さっそくパンケーキを切ってみる
「おお」
ふわっと系じゃない、もちっと系だ
ひと口サイズに切って、蜂蜜を絡めて一口
「んーー、甘い。美味し」
もちっと、しっかりと小麦の味がする
ふわふわパンケーキもいいけど、こっちのパンケーキも好き
っていうか、蜂蜜最高
起きてきたアスターとアルジャンにもちょっとおすそ分けして
あっという間にパンケーキを食べてしまった
「はい、お待ちー。パスッタと、肉料理だよー」
「ありがとうございます」
トマトパスタと、お肉料理は煮込みだトロッとしてて美味しそう
「あら~起きたねえ」
美味しそうな匂いに起きてきたアンディー
お姉さんはメロメロだ
抱っこ紐から出て、床で伸びをしている
「アンディー、お姉さんが撫でさせてって言ってるけどいいかな?」
「みゃうー」
「いいよって言ってます」
「本当かい!?」
「はい」
「ああーー、こんなに可愛い従魔見た事ないよー」
そっと頭を撫でて感激しているお姉さん
「まだ子供なので、子猫みたいなものです」
「子猫ちゃーん、かわいいねえー」
たくさん撫でてもらって、まんざらでも無さそうなアンディー
「はあ、良い癒しだったよ、ありがとうねえー」
満足して戻って行った
「良かったね、かわいいねって」
「みゃうーん」
嬉しそうなアンディー
「きゅうー」「きゅぃー」
「もちろん2人もかわいいよー」
焼きもちした2匹も撫でておく、平等が大事だ
パンケーキだけでは足りないので、パスタとお肉の煮込みも分けていく
アンディーにはお肉と、パスタちょっと
パスタはトマトソースがたっぷりだから、きっとドロドロになるだろうな・・・・
そう思いつつもお皿に分けて前に置くと、顔を突っ込んで食べ始める
「あー・・・・・終わったら綺麗にしようねー」
もう顔の周りはドロドロだ・・・・これはどうしようもない
3匹が食べ始めた所で、自分もパスタを一口
「うん、美味しい」
お肉も一口サイズに切って入っている、味はハーブも入っていてスッキリしている
パスタは生パスタだろう、もちっとして美味しい
これは・・・・・・チーズをかけたくなるな・・・・
お肉は野菜と一緒にしっかりと煮込まれていて、いい味だ
「こっちも美味しい」
お肉もナイフがいらないくらい柔らかい
料理を堪能していると、ガロルドたちが店にきた
ガロルド「先に来ていたのか」
「あ、ごめんね、早く来すぎちゃって。先に食べてた」
ダタンヤリム「私達も注文するか」
2人も席について注文している
ガロルド「買い物はできたか?」
「うん、パスッタをいっぱい買ったから今度料理するね」
ダタンヤリム「例の小麦の料理か?」
「はい、これです」
今食べているパスタを見せる
ダタンヤリム「ほお、麺というやつだな」
ガロルド「これは俺も食べた事がないな」
「もちっとして美味しいよ」
ガロルド「楽しみだな・・・・・ルラ何かあったのか?元気がないように見える」
「え?」
元気なかったかな・・・・
ダタンヤリム「そうか?」
ガロルド「ああ、いつもより元気がない」
「えー?疲れてるかな?・・・午後は料理でもしようかな?」
ダタンヤリム「・・・・疲れているのに料理?」
ガロルド「寝ててもいいぞ?」
「うーん、今寝ると夜寝れ無さそうだし・・・・外で料理して、ゆっくりお風呂に入って寝ようかな」
ガロルド「そうだな、ゆっくり休むといい。ダタンヤリムの付き添いは俺がするから」
ダタンヤリム「そんな子供みたいな・・・・私は一人でも大丈夫だ」
ガロルド「まだ言ってるのか・・・・何のために俺が一緒にいるんだ」
ダタンヤリム「私は自分の身も守れないほど弱くはないぞ」
不服そうな顔だ
ガロルド「そういうやつほど、攫われるんだ」
ダタンヤリム「ぐっ」
「ふふっ、じゃあガロにお願いして、私は外で料理でもしとくね」
ガロルド「ああ」
注文した料理を食べて、パスッタはガロルドもダタンヤリムさんも気に入ったみたいだ
今度違うソースのパスタも作ろう
ああ、明太子パスタ食べたいな・・・・さすがに魚卵は手に入らないかなー
そんな事を考えながらご飯を食べて、ひとりで町の外に来た
昨日までの戦闘が嘘のように、空は青いし風も気持ちいい
町の門からギリギリ見える位置にテントを出して、野営準備完了だ
キッチンを作って・・・・料理でもしよう
ここ最近でかなり作り置きも吐き出した
作り置きなんてナンボあってもええですからね!!
作り置きの前に仕込んでおきたいものがある
それは今日の夜ごはん豚肉のポルケッタだ、イタリア料理だったかな?
でっかい豚ばらを開いて、出来るだけ大きくして塩を振る
ニンニク、ローズマリー、タイム、コショウを刻んで植物油で混ぜる
和えたものを豚肉の内側に塗って、巻いて行く
しっかりと巻いたら、ヒモで縛ってぎゅっと丸くする
でっかい太巻きみたいだ
巻いているうちに出て来たオイルを表面にしっかりと塗って、そのまま寝かせる
乾かないようにラップでもできたらいいんだけど、ないから濡れ布巾を被せてある
これを夜ごはんに焼こう
仕込みが終わったら作り置き開始
サンドイッチを大量に作ろう、食パンが少なくなってきたので焼こう
お米も炊き立てはもう無いから炊かないとな
出汁もとっておきたいな・・・・鳥、魚、豚、全部いる
そんな事をやっていたらコンロがどんどん増えてきた
どこのホテルのキッチンだ・・・・・
そんな事を思ったけど、まあ、良いでしょう
卵が買えたから卵サンドを作ろう
そうだ甘いものも食べたかったんだ、パンケーキでは満たされなかった・・・・
そういう時はやっぱり生クリームでしょう!
たっぷりと食べる為に、ロールケーキを作る
中に入れるのはど真ん中にイチゴが来るようにして、あとはほぼ生クリーム
大きなスポンジに最初にカスタードクリームを薄く塗って、次にたっぷり生クリームをぬる
その上にイチゴを一列に並べて・・・・・
「あとは気合いだ」
もうこれはロールしない、端と端を合わせるだけ中心部分にスポンジはこない
ロー〇ンのやつだ、イチゴが入ってるだけこっちの方が豪華かもしれない
「おりゃ!」
気合いで一気に丸めた、端っこからクリームが飛び出す
「ああーー」
まあ、そうなるか・・・・なるべくクリームを硬めにしたんだけどな・・・・
既製品には勝てない・・・・
それでも飛び出した端っこを切れば、そこそこ良い感じに見えた
イチゴが中心にいないけど・・・・まあ、それもいいでしょう
切った端っこは美味しく頂きました
3匹と一緒に
ふわっとした生地に生クリームたっぷり
イチゴの酸味がもっと食べれるよーってさっぱりさせてくれる
無限に食べれそうだ・・・・
残りはガロルドたちが戻って来た時に一緒に食べよう
ポルケッタも良い感じに馴染んだようなので、じゃが芋を適当に切って、オイルと塩で和える
ポルケッタをフライパンで表面を焼いてから、和えたじゃが芋も焼く
じゃが芋の表面が焼けてきたら、じゃが芋の上でポルケッタを休ませながら焼く
これでじっくりと火を通したら完成だ
「うーんいい香り」
さっそく切ってみると、溢れる肉汁とハーブの良い香りだ
グルグルと巻かれたチャーシューみたいだけど、味は完全に異国だ
「たまに食べたくなるんだよねー」
日が沈むころにガロルド達が帰って来た
なにやら言い合いしている
ダタンヤリム「まだ時間があっただろう」
ガロルド「日が沈む前に戻らないと町から出れなくなるだろう」
ダタンヤリム「ぐっ」
どうやらまたダタンヤリムさんがわがままモードに入っていたらしい
正論を言われて悔しそうな顔だ
「ご飯できてますよー。食べましょう」
ガロルド「美味そうな匂いだ・・・・」
ダタンヤリム「嗅いだことのない香りだな・・・」
くんくんと匂いを嗅ぐ2人を見て笑顔になった
久しぶりに野営でみんなと食べるご飯に嬉しくなって
旅の間の事を話しながらご飯を食べた
そして、デザートにロールケーキも
贅沢なご飯だなー
やっぱり私の帰る場所はここだ
元気になれた気がする!
ありがとござした!




