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生きてて良かったと 思いたい私の異世界転生  作者: 蒼氷


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バシールのギルマス

『魔寄せ』を回収したあと

すぐにバシールの町まで飛んで戻ってきて、冒険者ギルドへ向かう


「『魔寄せ』を回収してきたので、ギルマスに会いにいきますね」

受付への報告もそこそこに、早歩きでギルドマスタールームに向かう


コンコンコン「失礼します」


返事を待たずに入ると、執務机で書類と睨めっこしていた

ギルマス「あ?どうした?何か問題か?」


姿勢も悪く机に肩肘をついたまま、そういうギルドマスター


「問題です。冒険者たちは疲れてますよ、物資も尽きかけてます」


ギルマス「は?どうしてお前がそれを知ってるんだ?」

やっと書類から目を離してこっちを見た


「現地の冒険者たちに聞いてきたので、とりあえず手持ちのポーションとご飯を渡して来ました」

ギルマス「はあ?何であんたが?・・・・まあいい、ありがとよ。追加で報酬を振り込んどく。それよりも何か問題があったから帰ってきたんじゃないのか?」


「だから、冒険者たちの環境が問題だって言ってるんです。すぐに物資を届ける必要があります」


ギルマス「ああ、それならお前は気にしなくていい。早く『魔寄せ』を見つけられるように頑張ってくれ。何か援助が必要なら言ってくれれば出来るだけ対応する」

また書類に目を向けて、読み始めた



何だこの人は、冒険者たちが現場で頑張っているのに

ここでダラダラと書類を読んでいるだけで、物資を送ろうともしない

頭にきて、机の上に手をバンッと叩きつけると、ビクッとしてこっちを見た


「いいですか!?冒険者が倒れたらこの町は終わるんですよ!!呑気に書類を読んでいる暇があるなら物資を手配して下さい!!!」

大きな声でそう怒鳴りつけた

この態度は許せない!


ギルマス「はあ?そんなこったわかってるよ。っていうか何をそんなに怒ってんだ?物資を運ぶ馬車はすでに出発したし、追加で必要な物でもあんのか?」


「だから!!・・・・・・・・・・・え?物資を運ぶ馬車は出発した?」

ギルマス「ああ、さっき出て行ったばっかりだ。小さな町だからなポーション類を集めるのは苦労するんだ・・・・・で?何がそんなに気に入らないんだ」


「あ・・・・・・物資がなくて・・・・冒険者が苦しんでいると思って・・・」

どうやら盛大に勘違いしていた、物資を送っていないのではなくて

すでに送っていたのだ

自分が知らない所で・・・・・思い込みで大声を上げて

恥ずかしさで顔が熱くなる



ギルマス「あー・・・・・もしかして現場に行って物資不足だって聞いて戻ってきたのか?」

「・・・・・・はい」

ギルマス「俺が仕事してないと思って?」


「・・・・・・・はい。すみませんでした!」

深く頭をさげた


だらしない恰好だからって、仕事をしていない訳ではない

完全に先走っていた



ギルマスは頭をガシガシとかいて、困った顔をしている


ギルマス「いや、今はこんな汚らしい身なりかもしれんがな?休む間も惜しんで対処しているぞ、一応。普段はヒゲも剃っているし、もちっと小奇麗な恰好なんだがな・・・・」



「はい・・・・・こっちが完全に勘違いしていました・・・・ごめんなさい」

ちょっと泣きたくなって来た


ギルマス「もういい。あいつらの為に怒ってくれたんだろう?俺が汚いのが悪かったよ。これが終わったら身ぎれいにすっから、『魔寄せ』の回収に集中してくれ」


「はい・・・・・本当にすみませんでした!『魔寄せ』は回収済みです」

机の上に回収してきた『魔寄せ』を置く


「崖の亀裂に挟んでありました。探すのに時間がかかりましたけど、魔物はそこまで大量ではなかったので、残りを殲滅すれば収束するかと思います」

失態の申し訳なさから、丁寧に話す


ギルマス「は?もう見つけて来たのか・・・・やるじゃねえか。ありがとな」

「え?はい」


ギルマス「こっちで資料を作っておく必要があるからな、1日くれ。明日の昼までには完成させよう・・・・・また身ぎれいにする暇がなくなっちまったけどな」


私が変な勘違いで責めたのに、この人は怒らないし

ちゃんとお礼まで言ってくれる

恥ずかしさで埋まってしまいたい気分だ


「怒らないんですか?」

ギルマス「怒る?何をだ?」

「勘違いで八つ当たりしたことです」


ギルマス「八つ当たり?あれは八つ当たりだったのか?ただの勘違いだろう。俺は勘違いされやすいからな、たまにあるんだ。書類仕事は嫌いだが、ちゃんとやる事はやっているよ。町の為だ」






「かっこい・・・・・」

思わず小声で言ってしまう






ギルマス「は?・・・・・わかってるじゃねえか。これでも身ぎれいにしたらいい男なんだ、まあ、気にすんな。そんな事で怒るほど器は小さくねえし、冒険者の為に怒れるやつは俺は嫌いじゃねえ」



「・・・・・・・ありがとうございます・・・・・明日また来ますね」

ギルマス「ああ、宿は・・・・・・ここへ行け。もちろん従魔も泊れるぞ」

紙を渡してくれる

それには宿の場所と、ギルドの支払いが書かれている

どうやらギルド持ちで宿に泊まらせてくれるようだ


紙を握りしめて、お礼を言ってから部屋をでた






「あーーーーーーーーーーー」

恥ずかしかった・・・・・顔から火が出そうだった

勘違いで怒るなんて・・・・

宿まで用意してくれてたのに・・・・第一印象で決めちゃうなんてー!


自己嫌悪で暴れたい気分だ



「恥ずかし、次どんな顔して会えばいいのか・・・・・」

ちゃんと仕事しているし、気遣いもできるギルドマスターで

怒りもしない、器の大きい人じゃないか

自分の見る目の無さに呆れる


このままじゃぐるぐると思考の渦に飲まれてしまいそうなので

気分転換だ!

買い物だ!!


欲しい物は牛乳と卵!

ここは王都からも遠くないからね、きっとあるはずだ

気持ちを切り替える為に町に出て、欲しい物を買いまくった


あんまり爆買いしたもんだから、お店の人も「羽振りがいいねえ、こっちはどうだい?」

なんて、おすすめもしてくれた

欲しい物は何でも買って、目的の卵と牛乳も買えるだけ買った

ナンボあってもええですからね!!


そして買い食いだ!

チーズたっぷりの串焼きに、野菜がたっぷりのミルクスープ

乳製品最高!!


美味しいご飯を見つけると、ガロルドと食べたいなって思ってしまう

今はどこにいるんだろうか?

カンリオ国に戻っているのかな?

アルジャンは泣いてないかな?



何だか情緒不安定な自分に、また気分が沈んで来てしまった

「だめだ、今日は早く寝よう」


紹介してもらった宿に行くと、ちょっといい宿のようで

お風呂が入れるみたいだ


お湯を頼めば別料金で入れるらしいんだけど、自分でお湯を入れると言えば


「それならば好きに使ってもらってかまわないですよ」

って言ってくれた、ありがたい


さっそくお風呂につかって

アンディーもお風呂に入れた

最近毎日走りまわっているしね、宿も汚すわけにはいかない

しっかりと洗って、乾かせばふわふわ獣の出来上がり


「んんーーー、いい香り。キレイになって良かったねーアンディー」

「みゃうーん」


ふわふわの毛に顔を埋めて吸い込む

猫吸いは癒しだ

すさんだ心を癒しておくれ


これはポーションでは治らない


アンディーに顔をうずめていると、アスターも頬にふわふわの体をこすりつけてきた

「アスターもふわふわでいいねー」

アンディーとアスターは毛質は違うけど、どっちも最高だ

アンディーは艶っとサラッと、アスターはふわっふわ

どっちも堪能して、ベッドに横になる


「ここも良い宿だな」


ベッドも清潔で、硬くない

部屋は広くはないけど、狭くもない

お風呂がある時点でお高めの宿だ


態度の悪かった私にも、ちゃんと宿を取ってくれていた

ギルドマスターという役職の人は、それなりの人格者が多いんだろうな

私が敵対してしまったギルドマスターもきっといい所があったのかもしれない


そう思うと、自分の狭量な所が出てしまったな・・・・・


思い込みで動くのは良くない

物資は送ったんですか?って先に聞けば済む話だったのに

初めから決めつけて責めてしまうなんて、短慮すぎる


反省だ



相手があの人だったから、怒ったりしなかっただけで

もっと揉め事になっていたのかも知れない


明日、改めて謝罪しよう

そうしよう



心に決めて

寝る



あー、明日はちゃんと謝るぞ

ありがとござした!

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