『天賢』の定義
『天賢』の定義
この物語で重要な役割を果たす『天賢』について少し説明しておきたいと思います。たぶん読者様の中には『天賢』は神なのかどうかを気にしておられる方もいらっしゃるかもしれません。それに対して二択で答えねばならないとすれば、「いいえ」と答えます。
私の書く物語に登場するキャラクターには「神」はあまり出てきませんし、その言葉は出来るだけ避けるようにしています(因みに私がその言葉を大切にしているからとかいう理由ではありませんよ。しかしながら固有名詞としては扱わなくても、表現上で必要な場合はそれを使うことはあります)。では、その理由を少し述べておきましょう。
その理由の一つとして、『天賢』を「神」としてしまうと宗教のイメージが付き纏い、読者様がそれぞれに持つ宗教観とも絡んできてしまう恐れがあるからです。宗教は人の生き方にも関わる精神的なものですから、「神」と表現に入れてしまった途端にそれぞれの持つその言葉に対するイメージにバラ付きが出てしまうことにもなりかねません。そうなると私が表現したい『天賢』のキャラクター性を読者様にそのまま伝えられなくなる可能性がある。そうした事態をを避けるためです。
もう一つの理由は「神」と言う言葉は「人(この物語では〈生者〉)」という存在に壁を感じさせる言葉でもある。私が描きたかった『天賢』は生者の延長線上にあり、人間的で連続している存在なのです(たぶん私のこうした意図は功を奏しているのではないかと思います)。
以上が主な理由です。だから『天賢』は「神」という固定概念ではなく、この物語を読んだ皆様が抱くそれぞれのイメージ通りの存在でいいのです。
さらに付け加えるなら、物語では詳しく説明しませんでしたが、『天賢』は存在者として最高位にあるわけではないというこです。彼はその存在者から宇宙を任されているだけです。こうして彼を超える存在者を設定することで、彼がより生者に近い存在に感じられたはずです。




