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灰色の涙  作者: 綾月
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第一話:出会い

「遅刻するっ!!!」

僕はベッドの上から飛び起きた

時計の針はすでに、8時30分をしめしている、つまりどこでもこれを遅刻というわけだけど

僕は冷蔵庫の中から牛乳とよくわからないパンを取り出して口に詰め込んだ。

学校の制服に着替え、机に置いてあったカバンを引っつかんで玄関に向かった。

すると、その必死の行動に水をさすかのように電話が鳴り響いた。

「はぁ…もういいや…今日は休むか」

僕はへとへとになりながら、鳴り響く受話器を手に取った。

受話器を向こう側から呑気な声が聞こえてきた。

「…木村…お前こんな時間になんのようだ」

呑気な声の主は僕の一番の友達、木村大地

ついでに、名を名乗っとくと僕の名前は吉田啓介

「こんな、時間って啓介お前って休みまでスケつける奴だったか?」

僕は、木村の"休み"という単語にさらにへろへろになってしまった。

よくよく、カレンダーを見ると今日は日曜日だった。

「そうか…今日は学校があると思って飛び起きたんだな」

事実である以上僕は木村に何も言い返せなかった。

「ほう、図星か啓介、お前も馬鹿な奴だ…」

「うるさい…馬鹿のお前が言うな成績は俺のほうが上だ」

コイツとはなにかと低レベルな争いをしてしまう。

「まぁ、まぁ勉学ができるから、精神面も良いというワケではないぞ」

木村の皮肉な言いに僕は何も言い返せなくなった。

「でよ、今日お前んち言っていいか?新しいゲームを買ったんだが」

「今日は疲れた、また今度な…」

木村は残念そうに「しょうがないな」と言って電話を切った。

僕は受話器を置いて、ゆっくりと椅子に座り込んだ。

あんだけ、急いで物事はすましたのに、休みだった気づいて心底疲れてしまっていた。

寝ようににも僕は二度寝という物をしない、というかできない

僕の場合は、一度起きると眼がさえて眠ることができない。

「…木村と新しいゲームとやらをやればよかった」

を今更僕は後悔していた、断った手前「やっぱ来てくれ」なんていえないし…

「コンビニ行こう…昼飯も買ってこなきゃならんしな」

僕は着ていた制服を脱いで私服に着替えた

さすがに近所とはいえ、休みに制服を着てコンビニに行くのは気が知れた。

僕の住んでいる所は一人暮らしには十分なスペースがある、2LDKのマンション

家賃はほぼタダ状態といえるだろう、大学が特別に成績優秀者のみに

特別手当として与えれれる物で家賃は全て大学持ち

自分で払うものは食費のみ、あとは携帯電話の料金などだ

だから、もちろんそのマンションから、スーパーは近いし、コンビニもまん前にある

賃貸としては一番すばらしい場所に位置していると言えるだろう。

コンビニに到着した僕はすぐに、弁当の棚に向かった。

「よし!!焼肉弁当最後の一つ入手したり!!」

僕は好物の焼肉弁当と、お茶を手に取りレジに向かった。

「895円で〜す」

店員はあきらかに、やる気なさげにそう言った。

僕は895円ちょうどを出したはずだったが

「250円のお返しで〜す」

と、この時間帯は店員がボケてるおかげで小さな儲けがあるわけである。

好物の焼肉弁当を手もって僕はマンションへの道を再度歩き始めた。

「ん…人だかり?」

交差点に、大きな人だかりできていたのだ

僕は走りよって、その中を覗き込むと、軽自動車が止まっており、その前に呆然と

その運転手らしき人物が魂が抜けたかのように、下を見つめていた。

僕はそれに合わせて下を見ると、少女がそこには倒れていた。

僕は慌てて、その人だかりの中心に入っていった。

人々の目が僕に集中し始めた。

「おい!!なんで救急車呼ばないんだよ!!!」

僕は携帯電話を取り出して、電話をしようとすると

横たわっていた少女が目を覚ました。

「あ…なんだ気がついたのか…」

すると、集まっていた人ごみがすぐに散っていった

「ったく!!信じられねえ助けもしないで見るだけかよ…アンタもな」

僕は呆然と立ちすくんでいた運転手らしき男に言った。

「はっ…すみませんでした」

「僕に謝られても困る…この娘に謝ってよ」

運転手らしき男はその少女に必死に頭を下げ始めた

しかし、少女は微小しながら「かまいませんよ」と言った。

運転手はその無事の言葉に安心してか、すぐに自動車に乗って走りさっていった。

その場に残された、僕は小さいため息をついた。

「さてと…じゃあね、大丈夫みたいだから僕帰るよ」

そう僕が少女に声を掛けるとはてという感じで僕の顔を見つめていた。

そして、とんでもないことを言い始めた

「私は誰なんでしょうか?」

「誰でしょうね…僕は少なくとも知らないな」

と、その問いにそうふざけて答えると

「じゃあ、なんで助けようとしてくれたんですか?」

僕はその言葉に反応して、彼女の顔を見た

僕は彼女の瞳に吸い込まれそうになった、それだけ不思議さをかもし出していた。


こと時に僕の歯車はくるくると狂い始めていたのかもしれない…


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― 新着の感想 ―
私は日本人ではありませんが、日本において、相手が無事でも、ぶつけたあとその場を離れて構わないのでしょうか?これは“ひき逃げ”には該当しないのでしょうか?
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