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第1話 単刀直入

 異世界に行きたい。


 いや、「行きたい」なんて軽い言葉じゃ足りない。退屈な現実も、先の見えない毎日も、全部ぶち壊してくれる何かを、ずっと待ってる。


 もし目の前に異世界への扉が現れたら迷わず飛び込む。そう思ってた。


 ……でも。


 「それじゃ、異世界行くか?」って聞かれたら、話は別だ。


 痛いのは嫌だし、死ぬのはもっと嫌だ。化け物とか、戦いとか、そういうの全部ひっくるめて考えたら正直、行きたくないに決まってる。


 夢みたいな話は、夢のままでいい。


 なのに


 俺が、《《本当に行くことになる》》なんて、思うわけがない。



◇◇◇












俺の名前は蝶野蛍ちょうのほたる。金髪って所を抜いたらどこにでもいるただの高校生だ。金髪は、染めた。

 いやしかし、本当に退屈な日々である。朝6時に起き、登校し、授業を受けて帰宅。ゲームをしてから風呂に入ってベッド・イン。そんな退屈な日々。


 たまに思う事がある。《《異世界》》とか行けたら、すげー楽しいんだろうなって。チート能力とか貰って、敵をぶっ飛ばして、女の子を助けて。そんな都合のいい妄想。

 とかなんとか考えていると、どこからともなく美声が聞こえてきた、


「ねぇ、君いま異世界に行きたいとか、そんな感じの事考えて無かった?」


「え?」

 なんだ? なんだ今の美声は? まるで…………うーん……例えが浮かばないなぁ。とにかく、恐らく俺に話しかけたであろう声の主を探すために辺りを見てみるもそれらしき人物はいない。もしや俺の、幻聴……?


「どこ見てるのー? こっちだよ」

 背後。驚いて後ろに振り向くとそこに居たのは、背のでかい白い髪の女だった。長い髪は、風もないのに揺れている。透き通るような肌に整いすぎた顔立ち、そして――――背中には純白の翼。明らかに人間では無いと、すぐに分かった。


「君、さっき異世界行きたいって言わなかった?」


「え、あ、言ったっていうか、思ったっていうか」


「どっちでもいーけどね。で、異世界に行きたい君にとっておきの話があるんだよ……!」

 とっておきの話……?


「ここで話すのもなんだし、ちょっと来てよ」


「え、どこへ?」

 どこに行くか聞いた瞬間、目の前に謎の裂け目が現れた。空間がパカッと割れ、完全に別の場所へ繋がってるよう。そのままその女に手を引かれ、俺は避け目の中へと連れていかれてしまった。













◇ ◇ ◇


~? ? ?~


「で、ここはどこなんだ?」

 連れてかれた場所は椅子が2つとテーブルがある白い砂漠。青い空。寒くもなく暑くもなく、程よい気温に無風。意外と居心地がいい。


「さて、じゃあまずは自己紹介から始めようか」

 俺を連れてきた女は向かいの椅子に座って足を組み、テーブルに肘を着いて話し始めた。


「僕の名前はヴィクトワール、光と勝利の女神だ」

 ヴィクトワール……光と勝利の女神……まじか。まぁこんだけ綺麗なら女神って言われても信じるよな。いや、この女の事も聞きたいが、そんな事よりここはどこ? あととっておきの話がなんなのか聞きたい。


「あの、とっておきの話ってなんです?」


「あーそうだった、単刀直入に聞くけどさ……」

 次の瞬間、信じられない言葉が女神の口から飛び出した。







「君、異世界に行ってくれないかな」








第1話 単刀直入 完。

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