第61話 帰り道をこちらで決める
人間は、攻めてこなかった。
翌朝、封鎖線の向こうに現れたのは、討伐隊ではない。
撤収隊だった。
いや。
撤収隊の顔をした、観測隊だった。
「……荷物をまとめているな」
《はい》
白い部屋に映る人間たちは、焦げた荷車の残骸や、昨日置いた測量杭を回収していた。
白布。
折れた札。
油壺。
焼け残った縄。
赤泥蟻に噛まれた地面の土。
そして、昨日の偽核室で失った記録官と札師の代わりに、新しい記録係が二人。
その後ろに、ラウゼンがいる。
相変わらず、入口を見すぎない。
地面を見る。
兵の足取りを見る。
荷物の位置を見る。
そして、帰る道を見ている。
「撤収するふりだな」
《はい》
「帰り道を見せて、余がどう触るかを見るつもりか」
《可能性高》
外縁滲出の維持費が引かれる。
《外縁滲出維持:−20》
《現在ソウル:277》
痛い。
だが必要だ。
今、外を見られなければ詰む。
ラウゼンは、昨日の偽核室で分かったはずだ。
迷靄洞は、見せたいものを見せる。
なら今日は、こちらが見せない時にどう動くかを見に来る。
そしてもう一つ。
帰り道だ。
迷宮から離れる者。
荷物を持ち帰る者。
負傷者を運ぶ者。
記録を抱える者。
人間が一番油断しやすく、同時に一番守りたがる線。
「管理音声」
《はい》
「今日は入口ではなく、帰り道が餌だ」
《はい》
その時、地中が震えた。
赤泥蟻穴。
やはり来ている。
昨日、奴は言った。
帰り道なら噛む、と。
そして今、人間の帰り道が目の前にある。
ダンジョン新聞の個別投函が、短く震えた。
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【“赤泥蟻穴”より】
“帰る人間を噛む。湿りで隠すな”
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「命令してくるな」
《返信しますか》
「する」
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【“迷靄洞”より】
“噛むなら、荷車の後ろだ。前を噛むな。前を噛めばラウゼンが止まる”
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少し間が空いた。
⸻
【“赤泥蟻穴”より】
“なぜお前が決める”
⸻
「まったく面倒な牙だ」
余は白い部屋で、外の配置を見た。
ラウゼンは隊列を三つに分けている。
前方に盾持ち。
中央に記録係と荷車。
後方に回収兵。
そして、左右の茂みに弓兵が隠れている。
前を襲えば隊列は止まる。
中央を襲えば記録を捨てて逃げる。
だが後ろを襲えば、人間は助けるか、見捨てるかで割れる。
そこに帰り道が乱れる。
⸻
【“迷靄洞”より】
“後ろを噛め。余は煙で人間の目を濡らす。お前の道は見せぬ”
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返事は短かった。
⸻
【“赤泥蟻穴”より】
“なら噛む”
⸻
同盟ではない。
信用でもない。
ただ、同じ人間の目が邪魔なだけだ。
それで十分だ。
ラウゼンは帰路に白い粉を撒かせた。
足跡を残すための粉だ。
さらに細い鈴縄を張った。
何かが触れれば鳴る。
その横に、黒い小石を三つ置いた。
目印。
いや、違う。
「管理音声、あの黒石は」
《帰路固定石と推定。方向認識を補助し、迷宮干渉による帰路誤認を抑える道具です》
「余の嫌いなものばかり持ってくるな」
《はい》
ラウゼンは帰り道を守りに来ている。
だが同時に、帰り道がどう壊されるかを見に来ている。
帰路固定石に触れば、触った範囲が分かる。
触らなければ、帰路干渉できないと思われる。
「何もしないのも情報。何かしても情報」
《はい》
「なら、別のものに触らせる」
《赤泥蟻ですか》
「そうだ」
余は外縁迷霧を薄く流した。
人間の帰り道には触れない。
その代わり、地中の赤泥蟻にだけ、焼けた触角粉の匂いを流す。
帰路固定石の下ではない。
その少し後ろ。
荷車の車輪が通る場所。
「そこを噛め、若い牙」
地面が盛り上がった。
赤泥蟻が二匹、荷車の後ろで飛び出した。
「蟻だ!」
後方の回収兵が叫ぶ。
荷車が止まる。
前方の盾持ちは戻ろうとする。
中央の記録係は板を抱える。
ラウゼンだけが、すぐに叫んだ。
「前は止まるな! 中央は進め! 後方だけ切り離せ!」
正しい。
実に正しい。
だが、人間は荷物を捨てられない。
後方の回収兵は、荷台に積んだ金属箱を守ろうとした。
その箱には、昨日の偽核室から拾った白灯油の残りと、測定器具が入っている。
人間にとっては貴重な情報。
余にとっては餌。
赤泥蟻にとっては噛める物。
「そこで迷え」
赤泥蟻が車輪に噛みつく。
荷車が傾く。
金属箱が落ちる。
回収兵がそれを拾おうとした。
ラウゼンが怒鳴る。
「捨てろ!」
だが遅い。
回収兵は箱を抱えた。
その瞬間、もう一匹の赤泥蟻が足に噛みつく。
「ぎゃああっ!」
血が飛んだ。
人間の帰り道が乱れた。
「今だ」
《はい》
余は煙迷いを薄く流した。
火はない。
だが、人間が持っている白灯油の壺が割れた。
そこへ赤泥蟻の酸性泥が混ざり、白い煙が上がる。
条件は弱い。
だが足りる。
煙は隊列の後方だけを包んだ。
前方には流さない。
ラウゼンの視界には、煙の端しか見せない。
「ラウゼンに全部見せるな」
《はい》
「だが、見えないことは見せろ」
《了解》
後方の回収兵が、負傷者を引きずろうとする。
だが、煙で前が見えない。
赤泥蟻は足元を噛む。
鈴縄が鳴る。
白粉の足跡が乱れる。
帰路固定石は、前方の正しい道を示している。
しかし、負傷者はそちらへ行けない。
痛みから逃げる。
蟻から逃げる。
煙の薄い方へ逃げる。
その薄い方を、余が入口側へ曲げた。
「外周誘導路、まだ作っていません」
《はい》
「だから今は手動だ」
《負荷が高いです》
「分かっておる!」
余は外縁の湿りを、細く細く伸ばした。
道ではない。
匂いの筋。
影の筋。
濡れた灰の筋。
負傷兵が、そこを安全そうだと誤認する程度の細い線。
赤泥蟻はその後ろを噛む。
人間は負傷兵を引く。
結果、全員が少しずつ入口側へずれる。
「よし、よし、よし……!」
白い部屋で、余は身を乗り出した。
焦るな。
欲張るな。
ラウゼンは見ている。
だが、ここで一人は欲しい。
ソウルが要る。
外周誘導路を作るためにも。
負傷した回収兵が、ついに湿灰床の端を踏んだ。
「入った」
《はい》
「グズは出すな。まだ遠い」
《はい》
「大蜘蛛」
《反応あり》
「金属箱の影を縫え」
《実行》
火影縫い大蜘蛛の糸が、白い煙の下を這う。
人間の体ではなく、金属箱の影へ。
箱が重くなる。
回収兵は、箱を離せば逃げられる。
だが離さない。
自分が何のために残ったかを、捨てられないからだ。
「それが人間の弱さだ」
箱に引かれて、回収兵がさらに入口側へ転がる。
負傷した足では踏ん張れない。
赤泥蟻が背後を噛む。
仲間が腕を掴む。
引き合いになる。
余は、腕ではなく、箱を引いた。
「マネ」
「ギィ!」
「ラウゼンの声」
マネが入口の奥で言った。
「箱を捨てるな」
本物のラウゼンなら言わない。
だが、回収兵が聞きたい命令だった。
自分の行動を正当化してくれる声。
だから一瞬、信じた。
その一瞬で、入口の影が足元に重なった。
「グズ」
「ギィィッ!」
今度は届く。
グズが湿灰床の内側から踏み出し、棍棒を振り下ろした。
回収兵の背骨が折れた。
《侵入者一名死亡》
《獲得ソウル:39》
《取得:白灯油箱》
《現在ソウル:316》
「よし!」
余は叫んだ。
久しぶりに、腹の底から声が出た。
これで足りる。
「管理音声」
《はい》
「外周誘導路を作る」
《必要ソウル:140》
「作れ」
《ソウル140消費》
《現在ソウル:176》
迷靄洞が、外へ息を吐いた。
湿灰床。
火影糸。
偽核室で覚えた目的地誘導。
赤泥触角の偽道。
煙迷い。
帰路を奪う感覚。
それらが、一本の見えない道になる。
入口から外へ。
外から入口へ。
逃げる者、追う者、拾う者、助ける者。
その足が、ほんの少し迷靄洞へ寄る。
⸻
【構造獲得】
外周誘導路
効果:
・外縁内で発生した逃走、追跡、救助、回収行動を入口側へ寄せやすくする
・煙迷い、湿灰床、火影糸、偽重要点と連動
・帰路固定具に対しては効果減衰
・強い意志を持つ対象、または熟練者には抵抗される
⸻
「よい」
《はい》
「帰り道をこちらで決める」
外周誘導路は、すぐに効いた。
劇的ではない。
人間が全員ふらふら入口へ歩いてくるわけではない。
そんな都合の良いものではない。
だが、乱れた時に効く。
迷った時に効く。
何かを拾おうとした時。
仲間を助けようとした時。
逃げ道を選ぶ時。
ほんの半歩、こちらへ寄る。
その半歩が、命を分ける。
「後ろの弓兵」
《はい》
「煙で位置を誤ったな」
《はい》
茂みに隠れていた弓兵の一人が、味方を助けるために射線を変えた。
その時、足場を間違えた。
外周誘導路の端を踏んだ。
彼は入口へ向かったつもりはない。
横へ回り込むつもりだった。
だが、横道が少しだけ入口側へ曲がった。
そこに赤泥蟻がいた。
蟻が弓兵の足を噛む。
「ぎゃっ!」
弓が落ちる。
助けに行こうとする兵が一人。
ラウゼンが叫ぶ。
「行くな! 誘導されている!」
もう気づいた。
早い。
だが遅い。
助けに出た兵は、もう一歩踏み込んでいた。
外周誘導路が、その一歩を湿灰床へ寄せる。
火影縫い大蜘蛛が、落ちた弓の影を縫う。
弓兵は弓を拾おうとする。
戦う者は武器を捨てられない。
拾うために身を屈める。
その首が低くなる。
「グズ、届くか」
《ぎりぎりです》
「なら投げろ」
グズは棍棒を投げなかった。
代わりに、通常ゴブリンの一体を掴んだ。
「待て、何を――」
「ギャッ!?」
グズが通常ゴブリンを放り投げた。
弓兵の上に。
飛ばされたゴブリンは訳も分からずしがみつき、弓兵の顔に噛みついた。
「うわああっ!」
「……そんな手があるのか」
《記録します》
馬鹿な手だ。
だが効いた。
弓兵が倒れ、入口側へ転がる。
そこをグズが踏み込み、棍棒で潰した。
《侵入者一名死亡》
《獲得ソウル:34》
《通常ゴブリン一体負傷》
《現在ソウル:210》
「よし!」
だが、そこでラウゼンが動いた。
初めて、前へ出た。
かなり危険な距離まで。
ただし、入口へは来ない。
帰路固定石の一つを蹴り飛ばし、外周誘導路の端に落とした。
《外周誘導路、局所乱れ》
「っ!」
見抜いた。
いや、完全には見抜いていない。
だが、道が曲がっていることに気づき、固定石で打ち消してきた。
ラウゼンは声を張った。
「全員、白粉の道ではなく、黒石を見ろ! 足元を信用するな! 仲間を助けるな! 荷物を拾うな!」
命令が通る。
人間たちが引き始める。
赤泥蟻も深追いしない。
若い牙め。
引き際は分かっているらしい。
「追うな」
《はい》
「ここから先はラウゼンの距離だ」
余も止めた。
欲張れば見られる。
欲張れば、ラウゼンが次の対策を完成させる。
今日は二人喰った。
外周誘導路を得た。
白灯油箱も手に入れた。
十分だ。
人間たちは撤収した。
ただし、逃げたのではない。
整理して退いた。
ラウゼンは最後まで残り、外周誘導路が乱れた場所を見ていた。
白粉の足跡。
黒石の位置。
湿灰床。
赤泥蟻の穴。
入口に向かって微妙に曲がった足取り。
その全部を目に焼きつけている。
「記録しろ」
新しい記録係が震えながら板を構えた。
「迷靄洞、外縁に行動誘導線を形成。逃走、救助、回収行動を入口側へ偏向。赤泥蟻穴との同時発生時、危険度上昇」
ラウゼンは続けた。
「ただし、固定石で一部抵抗可能。強制ではない。迷いを増幅する型だ」
「はい」
「次は、迷わない隊を連れてくる」
余は白い部屋で、静かに息を止めた。
迷わない隊。
嫌な言葉だ。
「管理音声」
《はい》
「迷わない人間などいるのか」
《訓練、薬物、呪具、精神固定術などにより、迷いを減らすことは可能です》
「本当に嫌な世界だな」
《はい》
だが、完全に迷わないわけではない。
人間である限り、何かを選ぶ。
進むか。
戻るか。
助けるか。
捨てるか。
拾うか。
壊すか。
殺すか。
逃げるか。
選ぶなら、そこに道が生まれる。
道が生まれるなら、余は曲げられる。
戦闘後、白い部屋に収支が浮かんだ。
⸻
【外周帰路戦収支】
外縁滲出維持:−20
外周誘導路構築:−140
侵入者撃破:+73
取得:白灯油箱、弓、帰路固定石の欠片
通常ゴブリン一体負傷
赤泥蟻穴、小型蟻一体損耗確認
現在ソウル:210
⸻
「また減った」
《はい》
「だが、得たものは大きい」
《はい》
外周誘導路。
帰路固定石の欠片。
白灯油箱。
そして、赤泥蟻穴との一時的な噛み合い。
迷靄洞は、入口の中だけで戦う迷宮ではなくなりつつある。
外で起きた混乱を、入口へ寄せる。
人間の帰り道を、余の道にする。
それができるようになった。
ただし、ラウゼンは生きている。
しかも外周誘導路の性質を半分見抜いた。
次は必ず、対策してくる。
「面白いではないか」
《怖くはないのですか》
「怖いに決まっておるだろ!!」
余は思わず叫んだ。
それから、少しだけ声を落とした。
「だが、怖いだけではない」
《はい》
「あいつは余を見る。余もあいつを見る。見合ったまま、どちらが先に喰うかだ」
《はい》
夜。
ダンジョン新聞が震えた。
⸻
【地域短報】
・迷靄洞外縁にて人間撤収隊が損耗
・赤泥蟻穴の小型蟻群が同時介入
・迷靄洞、外縁での帰路誘導能力を獲得した可能性
・人間側査定官ラウゼン、迷靄洞をCランク予備査定継続対象として再分類
・外周干渉型Dランク上位迷宮として注目度上昇
⸻
交流欄は、予想通り騒がしかった。
⸻
・“朽縄井戸”井守:帰り道まで湿らせたか。嫌な洞になったねえ
・“玻璃宮の姫”:外周誘導路ですの? Dランクでそれは少し目立ちすぎますわ
・“灰冠のロード”:ラウゼンに見せすぎた。次は、誘導しない誘導を覚えろ
・“赤泥蟻穴”:後ろを噛んだ。二匹逃した。次はもっと噛む
⸻
余は赤泥蟻穴への返事を少し考えた。
褒める気はない。
だが、完全に無視するのも違う。
⸻
・“迷靄洞”:後ろを噛む判断は悪くなかった。だが入口に近すぎる獲物は余のものだ
⸻
すぐ返ってきた。
⸻
・“赤泥蟻穴”:外で倒れた獲物は俺のものだ。入口に入った獲物はお前のものだ
⸻
「……線引きか」
《はい》
「若い牙のくせに、取引を覚えたか」
《ロード同士の外周競合における一時協定案と推定》
悪くない。
外で倒れた獲物は赤泥蟻穴。
入口に入った獲物は迷靄洞。
灰色の部分はいくらでもある。
争いも残る。
だが、人間を相手にしている間は、それくらいでいい。
余は返した。
⸻
・“迷靄洞”:今はそれでよい。ただし、余の湿灰床を掘るな
⸻
赤泥蟻穴からの返答。
⸻
・“赤泥蟻穴”:お前の湿りが俺の穴に入らなければな
⸻
「交渉成立、とは言い難いな」
《はい》
「だが、噛み合った」
《はい》
その時、もう一つ投函が来た。
フィルエだ。
⸻
【フィルエより】
“外周誘導路、おめでとう。
でも、外に道を作るということは、外からも君に道ができるということ。
ラウゼンは次、その道を逆に辿ろうとするよ”
⸻
「逆に辿る」
《外周誘導路を利用し、迷靄洞の干渉基点を特定する可能性》
「本当に嫌な敵だな」
《はい》
だが、道はできた。
道があるなら、来る者もいる。
それは仕方ない。
問題は、来た者をどう喰うかだ。
白い部屋の表示が、さらに震えた。
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【進化兆候】
対象:湿棍ゴブリン・グズ
条件:
・処刑役としての連続撃破
・外縁での追撃
・負傷状態での戦闘継続
・ロード命令への適応
進化候補:泥門番ゴブリン
必要条件:入口防衛戦での指揮個体撃破、または帰路誘導下での三連続処刑
⸻
「グズ」
「ギィ……!」
奥で傷を押さえていたグズが、棍棒を握り直した。
馬鹿なゴブリンだった。
いや、今でも頭は良くない。
だが、処刑役としての形ができてきている。
入口に入った獲物を潰す者。
迷靄洞の門番。
「よい」
余は笑った。
「次にラウゼンが迷わない隊を連れてくるなら、こちらも門番を育てる」
外には赤泥蟻穴。
外縁には誘導路。
入口には湿灰床。
奥には偽核室。
そして、処刑役グズ。
人間は帰り道を守る。
余はその帰り道を曲げる。
赤泥蟻は後ろを噛む。
誰が誰の餌場に踏み込むか。
次の戦いで、それが決まる。




