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住人志望のアルバ  作者: 星を見る猫
騎士団に入れた私
65/65

65.冬はな…フラグが良く進むのよ

 【悲報】とうとうこの世界でも雪が降ってきた件について

 なんだか最近やる気が起きないなぁと思いつつも日々を過ごす私にぶち当たった衝撃の瞬間!なんと窓の外には空からしゃんしゃんと白い物が降ってくるではありませんか!


 「おや…何やら外の様子が」

 「アルバ団長あれは雪というものです」

 「ユキ?」

 

 まぁ知ってはいますよ?でもまぁ一応聞いておきますか。多分アルバはまだ冬という概念には触れてなかった…はず…多分…ちょっと待ってよ?…あぁおけ。大丈夫ですね。ちょっと早戻ししてきましたけど季節には触ってないです。


 「冬が近づいてきているんですよ。この辺りもまた真っ白に染まって…雪が積もっては捨てるを繰り返す日々になるんです」


 おっと?流れが変わったな?


 レイナは窓を眺めながらしみじみとした顔をしたかと思えば突然どこか遠くを見て死んだ目をしながら手を震わせていた。


 「私も始めは大変美しいものだと思っていたのですけどね…ある時を境にそう見ることができなくなりまして」

 「な、なるほど…」


 もしやこの世界で…私雪投げをやらされる?だとしたら大変そうだなぁ~テレビで北の試される大地とかの様子を見たことでしかないけど…え?そんな大変なん?


 「雪で滑って馬車が使い物にならなくなった…少し古びた家屋程度なら重みで倒壊…あぁ…去年は散々でしたね…」


 おっかなっ。雪ってそんなに怖いんだ。私が住んでたところは数センチぐらいしか積もらない場所だったんだけどな…いや待てよ思い返してみればそれで電車が止まったりしてたな。やはり雪は怖いものか


 「冬…ですか。何やら最近妙に身体の調子が悪いのも何か関係あるんでしょうか」

 「そうですね…以前アルバ団長には植物の力が宿るとの話を聞きましたが、そちらが関係しているのではないでしょうか。普通、植物というのは冬にはとっくに枯れてしまうものです。と、なると不調が出るのも仕方がないかと」


 なるほどね、それなら納得できますわ。なんとも不便な身体なもんです。

 not生物としての強みが若干失われるっていうのだけ見たら今の所弱体化まっしぐらな気がするんですけど、まぁいずれはおつりが帰ってくるような進化をしてくれるでしょう。

 未来の私に乞うご期待!


 「ふぅ…雪が降るとなると忙しくなりますね。今まで以上に冬の備えに力を入れなくては」


 書類をまとめながらため息をつく副団長の姿を見るとやっぱり異世界の冬ってのは現代の日本のそれと比べたら大変なんでしょうか。

 あ、そっか。食料とか冷蔵庫がどこの家庭にも必ずあるわけでもないじゃん。この世界に機械に頼らないで食料を冷蔵する術があるのかもわからないし…かなりハードモードになりそうですよこいつは


 「やはり食料が懸念になるのでしょうか?」

 「もちろんそれもあるのですが一番はやはり”薪”ですね」


 薪?薪なんてそんな必要に…あ!


 「…そうか!寒さが厳しくなってくれば薪の消費が増えるのは当たり前…」

 「よほどの大富豪でもなければ冬は薪を扱うものです。このお屋敷でも使っていますしね」

 

 ストーブとかエアコンもない中で暮らすなんて現代人には到底耐えられる気がしない。

 というか魔道具でそういった感じのものとかないんだろうか。熱を保つことが出来るものは私も持ってるけど(ちなみにお値段は結構しました。まぁお金持ってても使えるものそうそうないんで別にね。これでみんなの指揮が上がるなら代理団長冥利につきるという)直にあっためてくれるようなものがあれば冬もなお良しだと思うんですけど

 いやでもこういう世界だと薪じゃなくて石炭とかで出来ないのかな?


 「魔道具で代用できるものは無いのでしょうか?何度も薪を買い直すよりは結果的に安くすむと思うのですが」

 「そういったものはありますが…一つの価格はかなり高く、それでいて適用できる範囲が狭まるので現実的ではありませんね」

 

 副団長が大まかですがといって出した金額を見ると目が飛び出るかと思いました。騎士団の住居だけだとしてもこれはどうしようもないですよ。大人しく薪で済ませた方が安いな…これ

 あの…ちょっとね、びっくりする金額ですよ。私の買ったヤツのざっと5倍はしますね…単価ですよ?騎士団の住居を賄える分だけじゃなくて魔道具一個の時点で5倍ですよ。無理無理無理、ボタン押すだけでお金がもらえでもしないと絶対に無理これ。


 「こりゃひどい。ここまでだとレギルス様に土下座してでもお願いする気とかにはなれませんね。…何かここ以外での収入を得る方法でも考えておきましょうか」

 「執務に影響の無い規模となりますよかなり限られますね。ただ…そうなるとやはり現状だと人手が足りていませんのでそれも厳しいかと」


 うむむむむむむむ…異世界物だってのにとんとん拍子で物事が上手く進んでくれませんねぇ私のケースは…こういうのってさぁ…こう…価値の高い素材を持った魔物が都合よく群れで現れて!それを私がババーン!と倒して、はい!金銭の問題解決!ってなってくれるもんじゃない~?

 私がやりたいのってアニメのOPとかで主人公とか主要人物が出る中にこう…キメ顔で部下たちを引き連れてまっすぐ歩いてるみたいな人やりたいのにさ、実際は経営シュミレーションゲーム(セーブロード無しの鬼畜エディション)なんだよ?嫌になる


 「むぅ、思い通りになかなかいってくれないものですね。よし、これで終わりっと」


 はぁーっ終わった終わった!今日の分終了!今日はもうペン持たない!絶対嫌だ!


 「ふぅっ、本日の分は以上です。団長お疲れ様でした」

 「お疲れ様です副団長。ゆっくり休んでください」


 今日も今日とてこの机の上に積まれた書類共を裁いてやったぜ。だんだんと処理するスピードが上がってきている気がしますね。こんなところで成長を感じるのはなんか嫌ですけど

 

 一息ついたところですし…む、何やら足音が聞こえてくる?このトタトタという音が似あうのは…


 足音の主になんとなく予想をつけているとこんこんとドアを叩く音が響く


 「アルバー!わたしよー!」


 やはりお嬢様だったか。やれやれ今日はまたなにか連れ出してくれるんだろうか。

 席から立ちあがり、団長室の扉を開くと予想していた通り「わくわく!」というのが体全体から伝わっているほどの眩しい顔をしたリーシャお嬢様が居た。

 

 今日もかわいいねお嬢様!


 「これはお嬢様。本日はいかがしましたか」

 

 くそっ!私が人間なら今すぐにでも微笑みたいのに面が硬すぎる!見ろよこの光属性を!


 「ねぇアルバ!雪が降ってきたのよ!さっそくお外に出かけましょう!」


 リーシャは目を輝かせながらアルバを見上げている。このままあっという間に外に飛び出してしまいそうだ。

 そんなお嬢様を見た私の考えはもちのろん!全力YESマンです。お嬢様の言葉を聞いてから考えが決まるまでこの間わずか0.5秒

 

 「ふむ、了解しました。副団長しばらく席をあけますので何かあれば後の私にお願いしますね」

 「仕方ありませんね。ご用件があればまとめておきますので行ってください」


 話が分かりますなぁ副団長!!さっすがシゴデキクールビューティーだ。

 レイナ副団長は苦笑しながらも私たち二人を見送ってくれました。今度お菓子でも渡そう。いっつも疲れてるから甘いものが効きますでしょうに


  団長室から出るとお嬢様の顔はさらにぱぁっと明るくなりました。かわいい


 ―――――――――――――――――


 「お父様は今日王都の方に行ってるから退屈なの。侍女のみんなもお仕事で忙しいからあとはアルバしかこういうのについてきてくれそうな人居なかったし」

 「副団長からお話を聞きましたが冬というのは準備がとても必要な物なようですね。そうなると屋敷で働く方々はなかなか手が離せないでございましょう。その点私はいつでもお供いたしますよ」

 

 書類仕事が無かったら基本暇なもんで。いやだってしゃあないやん!?雑務も私がやるべきものじゃなくなったんだし、やろうとしたら奪われるんだよ!?じゃあもう暇やん!?素振りばっかして残り過ごしてたらそのうち苔生えますよ。


 「ありがと!それじゃあ…今日はお外に行きましょう!」

 「かしこまりました。本日はどこまでも同行しましょう」

 

 子は宝です。私子供なんて居なかったけどね?いや、わかるでしょ?地域の祭りごととかではしゃいでる子供たちの姿みたり、学生の時の下級生がかわいくって仕方ないとかそういった感じの思いですよ。


 屋敷の外へと出かける前に一度お嬢様の個室に寄る。雪が降ってきたのでね、しっかりと防寒しないと風邪ひいちゃいますから。


 邪な思いなど微塵も持たず、外套などの入ったクローゼットを開くと…こう…上手いたとえが出てこないんですけど…色鮮やかな?色とりどりの?ともかく何着か掛けられています。

 

 一応…私がコーディネートしたほうがいいんですかね。…………


 「アルバ?クローゼットの前で立ち止まってどうしたの?」


 …ダメだーっ!私じゃお嬢様にばっちり似合うようなコーデが思いつかん!!女キャラのキャラクリはできんだけどな…いやでもあれって結局こういう人居たらいいよねを形にしてるから他人にそれをやるのは抵抗がある…


 「お嬢様、私はこういったものに疎いのですが本日はどういった御召し物が良いといったご希望はございますか?」

 「う~んそうね…今日は…」


 お嬢様の要望にあれこれと従って手に取っていくと最終的に…洋風な水色の…なんて言うんですかね。ガーリー?昔のボキャしか出てこないんだけど多分ガーリーだったはず。まぁなんかフワフワっとした雰囲気のコーデの服がね、出揃いました。


 はいじゃあこっからは私部屋の外で待たないとね。


 「お嬢様。お着換えなのですが…御一人でもよろしいでしょうか?」

 「あら?手伝ってくれないの?」

 

 キャーッ!!!そんなの破廉恥ですわー!!私には刺激が強すぎますのーっ!


 「お嬢様、失礼ながら私などには性別といった概念はございませぬが、どちらかといえば男性に寄った思考を持っておりますので…どうかご理解いただけますと幸いです」

 「そうなのね。じゃあ分かったわ…ちょっと頑張って着てみる。…これどうやって着るのかなぁ」

 「すぐに侍女の方を一人呼んでまいります」


 部屋を出ようとした際に聞こえてきた小さな嘆きを私は聞き逃さない。すぐに外へと飛び出て左右を確認すると、神の思し召しとでも言わんばかりに都合よくこちらへと歩いてくるエリナさんの姿が!

 神に感謝するぜぇ!こうして出会うのは果たして何回目か分かりませんがグッドタイミング!

 

 「おや、アルバ様」

 「素晴らしい時にやってきてくれましたねエリナさん。今まさに貴女のお力が必要だったんです!」

 「は、はえっ!?」


 おっと失敬。急ぎすぎて詰め寄る感じになってしまいました。いかんいかん冷静にならねば。


 「実はこうこうこうしてかくかくしかじかまるまるでして…」

 「なるほど承知いたしました。そういうことであればお任せください」


 こ~れは理解力S+◎ですわ。ちょっとおおざっぱすぎて間違って伝わるんじゃないかとヒヤヒヤした。


 エリナさんはさっそくお嬢様の部屋に入って行きました。ふんすとしていたので気合が入ってちょっと時間が掛るかもしれませんが女性はおめかしに時間が必要だといいますし、ま、私は扉の前で仁王立ちして待っているとしましょう。


 もし覗こうだなんてもうヤツが居たら…


 多分今日は赤く染まった雪の積もる場所ができるだけでしょうね!

 

 

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