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きゅうじゅうなな
今年も秋が足りないねと呟く
どうも近頃時間の進みが早くなった
夢の中で、小学校に引き戻される
教室の真ん中を陣取るストーブから温もりと油の匂いが漂っていた
刺激に反応して全身に緊張が走る
子どもと言えど、そこには社会があった
残酷だったし、教訓にならない経験も多い
人を虐げ笑った彼女らは、いまどう生きているのか
SNSの時代にあって容易に追跡できる
嫌だなと漏らしながら、ポチポチポチ
優しそうな男性と、かわいい子どもを抱きかかえる彼女
心から純粋そうで、無垢そうな笑顔を見せる
彼女は一度だって私のことは思い出したことはないだろう
私だって、思い出さない努力をしている
それでも、ふとした拍子に記憶は呼び起こされる
恨んではいないし、後悔を願ったりもしない
脳裏に巣食う不快感に触れる
きれいごとにはしないで、汚いものは汚いままで抱える
これが私の向き合い方で、私の復讐でもある