前へ目次 次へ PR 93/100 きゅうじゅうさん 音楽性を失った右目を覆う赤い絨毯 眼鏡を撫でながら笑う前歯の軽薄さ 厳かな大腿に浮かび出る蛇の目傘 近代哲学と巻き爪を分けたかき氷は沸騰中 金字塔を差し込まれた腋をすり抜ける清涼感 あなたと私を隔てる鶏皮を広げた先の桃源郷 明朝体と踊るカポエラの鼻を削ぐ職員おらず 指で編んだ凧が面白いほど地を這う お前の肩にお酒を載せても太陽は錯乱したまま 月に肘打ち付ける爆弾魔の子守歌は柚子胡椒 灯篭流しと川底で脈を比べると同じだという驚き