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ろくじゅうさん

彼女からLINEが届いた


「あけましておめでとう


いままでありがとう


もうおわりにしましょう」


何で平仮名なのだろう


僕は彼女と付き合っていた覚えはない


なんとなく一緒にいるような関係がずっと続いていた


彼女は何かを期待していたのだろうか


それなら申し訳ないことをした


言い訳をさせてほしい


ある日を境に僕は誰も信じられなくなっていた


思い出せない


ただ、すべてに現実感を抱けないのだ


感覚の乖離に悩まされていた


「こちらこそありがとう


君には感謝している


これからも応援している」


寂しいという感情すら湧いてこなかった


・・・ぴこーん


彼女から返事が届いた


「わたし


たえられない


あなた


しんでいるのよ」


驚きよりは納得の方が大きかった


心臓の痛みを思い出した


「そうだったのか


忘れていたよ


ありがとう


そして、あけましておめでとう」


次の瞬間


彼女の後頭部から噴水のように血が噴き出した


白目をむいた彼女の顔を写真で連続撮影する音が聞こえる


「はっはっはっはっはっは」


僕の笑い声を拾ってLINEに文字が生成され続ける

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