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ろくじゅうに

橙色の血液に含まれた涙は何故か甘い


交絡因子を除いた先に見えた夢は空白


虫を歯茎に詰めて笑うのは狂気の名残


雨粒を暇に数える地蔵の眉間に皺が寄っては弾ける


灰塵を溶かして墓石に塗るリズムは決まって4拍子


邂逅一番に押し花を握り潰して配る飛行雲は屈強


意味深に叫ぶ豆電球の熱量は痛みに変わる


乾燥した愛情に刺すべき釘の数は増える一方


三角の時計に嫌気がさして刻んだ明日はもう来ない


歩きながら食べながら歌いながら死んでいく

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