前へ目次 次へ PR 61/100 ろくじゅういち 集団で生きる動物に個の意識はどこまであるのだろうか 大きな水槽を魚群で回り続ける彼らは集団としての個に見える 呆然と眺めながら、彼らの回る意義について思いを馳せる 一回りで世界に一つ良いことが起きるのかもしれない 遠い宇宙の先で、蕾が一つ花開くのかもしれない 妄想でしかないが、何とも健気で愉快な気持ちになる 我を忘れ、長いものに巻かれ、見えない何かのために一心に働く 死んだ魚の目とは上手く言ったものだ 水槽に反射した僕の顔も彼らと同じ表情をしていた