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よんじゅうきゅう
霧に包まれた奥山のように真実は姿を晦ました
どれだけ心を通わせていても根底が崩れれば、
信頼という名の共通言語が使えなくなれば、
疑心暗鬼に苛まれて恐怖の沼に沈んで沈む
一つ一つの言動に穿った解釈を持ち、
その姿を目にするだけで胃が騒めいた
抱えきれずに蠢く葛藤や嫌悪を、
体外に物理的に排出しようとしているのだ
押し入れの奥に閉じ籠るように、
心の中で体育すわりをしながら、
1人が気楽と愚痴を零した
それでも誰かに話しかけられるのを、
どこか待っているような僕の後姿は、
あまりに小さくて、微かに震えていて、
情けないものであった
真実が見えなくなった僕の前には丸まった僕の背中しか見えていない




