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さんじゅうご
「・・・。」
現実を受け止められない
何が自分に起こっているのか理解できない
精神が肉体から遊離していくのを感じた
全ての感覚が鈍くなり輪郭が消えていく
涙は出ない、体は震えて動けない
自分の感情が分からない
怒り、悲しみ、諦め
負の感情が蜷局を巻いて
汚い色を生み出しているのはわかる
「はっ」
呼吸を忘れていた
何故か肺に空気が入ってきていることは感じた
ヘビに睨まれて仮死状態になる小動物のように
生命活動を忘れていたのかもしれない
「僕は死んだ」
悲しいが認めざるを得ない事実
振り返ってみるとあの時、僕は崩壊した
心に広がっていた草原が一瞬にして焦土と化した
僕の命綱が前置きもなく切れた
言葉を失い、頭が知覚を拒んでいた
悲しい時に応援ソング、辛い時は気分転換
よく言ったものだ
感情が理解できているなら安心したら良い
感情が消えた時、自我が壊れた時
底のない泥沼に抵抗できないまま
ゆっくり残酷にも沈んでいく
僕は死んだ
そして、まだ死んだままだ




