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さん
硬直しかかった不義理な瞼を
下ろして探すは自分の狭間
辺りは不思議と暗くはないが
眺望不能で混み上げる恐ろしさに
再び瞼を押し上げる
寸暇を惜しんで働いた先に
糸の先がないと知る
一縷の望みも抱かせぬ
現実の確かさに
奇妙な納得を覚える
花の香が指先に浸り
換気扇の雑音が明日の空を汚す
愛した孤独も気付けば私を貫く
それでも息を吸うのは何故か
足取りに任せて幾星霜
目的地は未だに見えずして
後ろに付ける優しい影が
私の足をぼりぼり齧る
やっとなのかと汚染され
瞳を徐々に閉じてみる
視界は何とか開かぬままで
意識は煙のようにそっと消えた